NEWS

2022.06.24

【レポート】第4回ブックローンチを開催しました!ハシャン・アンマール准教授(アジア・日本研究所)がイスラーム経済に関する自著について報告

 2022年6月3日(金)、立命館大学アジア・日本研究所、および立命館大学中東・イスラーム研究センター(CMEIS)の共催で、Book Launchがオンラインで行われました。今回は、Dr.ハシャン・アンマール(立命館アジア・日本研究機構、准教授)が上梓した書籍『イスラーム経済の原像―ムハンマド時代の法規定形成から現代の革新まで―』(2022年2月刊)の紹介報告が行われました。Dr.アンマールは、地域研究、イスラーム経済、イスラーム法学を専門としており、とくにアラビア半島などを中心とする中東、マレーシアやインドネシアを中心とする東南アジアを対象地域として、イスラーム経済における重要な研究課題をとりあげ、それらに関する法的典拠とその解釈の歴史的・現代的な展開に焦点を当て研究を行っています。

 本報告では、書籍には記されなかった書籍の出版にまつわるDr.アンマールのこれまでの歩みなどが紹介されました。とくに、シリア出身のDr.アンマールが、シリアでどのように成長し、どのように日本と出会ったか、さらに日本語で書籍を刊行するに至った経緯などが語られました。本書は、西暦7世紀のイスラーム経済の構想がどのようなものだったかを明らかにして、さらにそれを踏まえて現代におけるイスラーム経済の活動を批判的に分析したものです。ダマスカス大学の大学院時代の専門だったハディース学からイスラーム経済学への架橋は、市場の都としてのアレッポで幼少期から一族の商業に参加した経験があってこそだと感じられました。

 質疑応答では、イスラーム法の用語やアラビア語の専門用語や語彙をどのように邦訳したのかをはじめとして、学術的に大変興味深い意見交換が行われました。加えて、Dr.アンマールの今後の研究の展望についてなどBook launchという場だからこそ耳にすることができる大変貴重なお話も詰まった大変有意義な会となりました。

アンマール先生BL0503写真1
報告を行うアンマール先生

アンマール先生BL0503写真2
当日の参加者の様子