NEWS

2022.07.15

【レポート】第8回ブックローンチを開催しました!帯谷知可 准教授(京都大学東南アジア地域研究研究所)がウズベキスタンの近代化に関する自著について報告

 2022年7月13日(水)17:00~18:00、オンラインにて、帯谷知可・京都大学東南アジア地域研究研究所准教授の新刊『ヴェールのなかのモダニティ:ポスト社会主義国ウズベキスタンの経験』(東京大学出版会、2022年1月)のブックローンチが開催されました。

本書は、イスラーム・ヴェール問題を軸に、19世紀後半以来のウズベキスタンにおけるモダニティ追求の軌跡をたどり、

 20世紀的なモダニティのあり方を批判的に検証し、現代における新しいモダニティのあり方や行方について考察したものです。

 著書による紹介では、モダニティ追求の磁場としてのウズベキスタンについて概括したあと、帝政ロシア、ソ連期、現代ウズベキスタンと時期を区分し、各時期におけるムスリム女性とヴェールの実態とその表象について論じられました。また、ポスト社会主義、権威主義、イスラーム復興の交錯といったキーワードに要約される現代ウズベキスタンにおけるモダニティのあり方が詳しく検討されました。同国におけるヴェールの様相と着用の実態などが提示され、さらにポスト社会主義国としてのウズベキスタンの経験から、モダニティの多様性をどう考えるべきかについて、実証的根拠に基づく議論が展開され、非常に多くの示唆に富む新刊紹介となりました。

 質疑応答では、ポスト・カリモフ時代における若いムスリム女性によるヒジョブ(ヴェール)をめぐる社会的な認識やヒジョブを被った女性による政治運動とそれが一つの勢力として成長する可能性の可否や、ウズベキスタンにおける宗教の世俗化などについて、学術的に大変興味深い意見交換が行われました。加えて、普段はよく知られていない国の一つであるウズベキスタンについて、歴史と現代の実態を知ることができる大変有意義な会となりました。

帯谷先生BL写真1
自著について話す帯谷准教授

帯谷先生BL写真2
当日の参加者の様子