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2023.11.01

【Report】ブックローンチを開催しました!Dr.松井信之が新著Evolving Postwar Japanese Philosophyについて報告

 10月18日(水)、AJIブックローンチがオンラインで開催されました。今回は、Dr.松井信之(立命館大学アジア・日本総合研究機構 助教)より、2023年3月に出版された新著 Evolving Postwar Japanese Philosophy: Odyssey Towards a Contemporary Cosmology through the Human Body, Technology, and Ecology (Ritsumeikan Asia-Japan Research Series)をご紹介いただきました。司会はDr.フェルナンド・ウィルツ(京都大学文学部 助教)が務めました。

 本書において、Dr.松井は、第二次世界大戦における日本敗戦の歴史的記憶、「無の場所」 の 「日本的」 論理と制度・自由・善悪との関係、日本の 「想像力」 の哲学史とポスト資本主義世界論との関係、「リズム」 の観点からの技術と宇宙(コスモス)の関係など、戦後日本の知的問題に多面的かつ包括的な光を当てています。今回のブックローンチでは、著書の概要と、これらの問題に取り組もうとした動機などが中心に語られました。くわえて、本書で提起された哲学的問題を今後さらに発展させるための、様々な課題についても指摘がなされました。

 質疑応答では、同書のタイトルに込められた考えや、同書の中心概念である「無」 をどう捉えるか、それが「何であるか」と問うた瞬間に、すでに 「無」ではなく「何か」 ではないのか、などについて活発な議論が交わされました。Dr.松井は、後者の問題について、その問題点を共有しつつ、それよりも哲学者たちが 「無」 と呼んだものにどのように向き合ったのかを理解すること、そして、私たちが「無」と呼ぶものから何を生み出そうとしているのかを問うことが重要であると応答しました。

Dr. Matsui talking about his book
自著について話すDr.松井


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