在学生の声

4,000名超の文学部生、一人ひとりがオンリーワンの活動を行っています。その活動の一端を紹介します。

2023

国際文化学域

イスラーム研究やシンガポール留学を通じて培った多様な視点。

阪井 裕紀子 さん
ヨーロッパ・イスラーム史専攻 4回生

帝塚山高等学校/大阪府

イスラームの歴史を初めて知ったのは、高校の世界史の授業でした。当時は自分がイスラーム史を専攻することになるとは思っていなかったのですが、大学入試の際に歴史の中から何を学びたいかと考えた際に自分と一番遠い世界にあったイスラームの歴史を勉強したいと思い、ヨーロッパ・イスラーム専攻がある立命館大学文学部への進学を決めました。
入学してまずおもしろいと思ったのが、「イスラーム史概論Ⅰ」という授業です。強大な勢力を誇った中世のイスラーム世界にも、実は多くのユダヤ人やキリスト教徒がいたことや、地中海、インド洋を経てヨーロッパと交易していたことなどを教わり、それまで独立した世界を築いていたと思っていたイスラームがグローバルにつながり、世界の中で成り立っていたことを知って驚きました。
現在は、旅行記に書かれた中世イスラーム世界の奴隷の姿をテーマに卒業論文に取り組んでいます。シルクロードやインド洋を渡る交易の歴史を学び、人々の「移動」に興味を持ったのが、研究のきっかけです。とりわけ当時のイスラーム世界の奴隷には、家庭内で働く「家内奴隷」が多かったことから、その姿を通して当時の人々の生活や価値観を知ることができるのではないかと考えています。世界を旅した著名な旅行家イブン・バットゥータの旅行記を読み解き、分析しています。旅行記を通して、まるで中世の世界を旅しているような気持ちになれるのが、おもしろいところです。

3回生の時には、約8ヵ月間、シンガポールで交換留学を経験しました。留学先でまず苦労したのが、「英語」です。大学の講義はすべて英語で進められます。日常会話と違って専門用語や学術的な表現も多く、最初は聞き取ることもできません。自分の意見を言いたくても、思うように言葉が出てこず、何度も悔しい思いをしました。毎日オンライン英会話のレッスンを受ける他、毎授業すべて録音し、後で繰り返し聞き直したり、ルームメイトに教えてもらったりして、必死で英語力を鍛えました。その甲斐あって、2セメスター目になると、授業も理解できるように。英語力の向上に伴って、友達も増えました。

シンガポールのウォールアートに潜り込んでみた

さまざまな授業を受けた中でも特に興味深かったのが、シンガポールの歴史です。例えば第二次世界大戦など日本と共通する歴史も、視点が変われば見え方も変わることを実感しました。
多国籍国家のシンガポールで、多様な民族や文化に触れられたことも収穫でした。大学では南インドの伝統舞踊のクラブに入部。未知の文化を体験し、インド系学生とも打ち解けることができました。最後に文化祭で、全員で舞踊を披露したことが心に残っています。

文化祭の衣装を着たところ

将来は、世界のさまざまな場所を訪れ、たくさんの人とコミュニケーションを取る仕事に就きたい。今は航空会社で客室乗務員を目指しています。世界中から人が集まるシンガポールに留学し、多様な人と出会ったことで、「生き方は、一つじゃない」と考えるようになりました。これから先、どんな道が開けても、臆することなく進んでいきたいと思っています。

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