在学生の声

4,000名超の文学部生、一人ひとりがオンリーワンの活動を行っています。その活動の一端を紹介します。

2023

言語コミュニケーション学域

コミュニケーションを深く分析し培った「当たり前」を問い質す力。

KO YUN KHANG さん
コミュニケーション表現専攻 4回生

FOON YEW HIGH SCHOOL/マレーシア

小さい頃、夢中になったのが、日本のテレビゲームや特撮ヒーロー番組。内容を理解したい一心で、幼いながら日本語を勉強し始めたことが、今思えばすべての出発点でした。母国マレーシアでは、義務教育で中国語、マレー語、英語を学びます。高校時代、一番情熱を持って勉強したのが、言語科目です。3か国語に加え、私は日本語クラブに入り、それまで続けてきた日本語の習得にも励みました。だから高校卒業後、日本に留学することに迷いはありませんでした。中でも立命館大学文学部を選んだのは、最も興味を持っていた「言語コミュニケーション」に関する学域があると知ったからです。私たちはふだん、当たり前のように言語を使ってコミュニケーションを取っています。国によって言語は異なっても、コミュニケーションを取るという目的は同じです。そんな不思議な言語の仕組みや効果を深く知りたいという思いがありました。

手話のイベントで司会を担当した時

現在は、「マルチモーダルコミュニケーションから見るアニメにおけるツンデレキャラクターのシグナル」をテーマに卒業論文に取り組んでいます。注目したのが、アニメなどに登場する「ツンデレ」キャラクターです。冷たい対応を取る「ツン」の一面と、好意を示す「デレ」の側面という両面性は、日本のサブカルチャーならではだと思い、興味を持ちました。こうしたツンデレキャラクターを表象するシグナルを、言語だけでなくジェスチャーや姿勢、目の動きといったさまざまな非言語情報を含めた複合的な要素(マルチモダリティ)から捉えようと考えています。アニメなどの各シーンで、ツンデレキャラクターの言動をピックアップし、他の登場人物や視聴者は、このキャラクターのどのような言葉や動きを「ツンデレ」だと認識しているのかを分析しようと試みています。主観を排し、客観的に「ツンデレ」のシグナルを捉えるのが難しいところです。過去に誰もやったことのないため、手探りではありますが、それだけに挑戦しがいのある研究だと思い、意欲的に取り組んでいます。

今春、ゲームやアニメなどのエンターテインメントが大好きで日本に留学した私にとって、大きな目標だった総合エンターテインメント企業への就職を決めました。子どもの頃、ゲームから多くの感動を得たように、愛する日本のエンターテインメントを通じて世界の人々に感動と喜びを届けていくのが、これからの目標です。
コミュニケーション表現専攻で学んで、最も身についたと感じているのは、「当たり前」を疑い、問い質す力です。私たちが日々当たり前に使っている言語や文字、それを使ったコミュニケーションも、その仕組みを細かく分析することで、新たな側面を発見することができました。社会に出ても、ただ盲目的に従うのではなく、なぜこれをやりたいのか、常に自らに問い、自覚を持って働いていきたいと考えています。これから立命館大学文学部を目指す皆さんにも、「当たり前」を疑い、自分で考える力を身につけてほしい。そうすれば、ここは最高の学びの場になると信じています。

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