在学生の声

4,000名超の文学部生、一人ひとりがオンリーワンの活動を行っています。その活動の一端を紹介します。

2023

日本文学研究学域

「文学を学ぶ」。そんな思い込みが一変する多様な学びとの出会いがある。

吉田 玲音 さん
日本語情報学専攻 3回生

大阪府立大冠高等学校/大阪府

「文学部は、本について学ぶところ」。そんな思い込みを覆す多様な学びとの出会いが、立命館大学にはありました。
もともとは本を読むことが好きで、「日本文学の名作をたくさん読みたい」との思いから、文学部に入学しました。そんな最初に描いた目的が一変したのは、1回生の春に受講した「研究入門」です。文学部での学び方や専門領域の基礎を学ぶ授業で、「役割語」と呼ばれるものを知り、あっという間に引き込まれました。
「役割語」とは、特定の人物像を想起させる言葉遣いのことです。例えば「わたくしは、~ですわよ」といった話し方を聞くと、自然と「お嬢様」を思い浮かべるというように、小説や漫画、アニメなどでキャラクターの人物像を詳しく説明しなくても、「役割語」によって、その職業や性別、性格を推察したり、作者がそのキャラクターにどのような役割を持たせようとしているのか、その意図を推し量ることができます。それがおもしろくて、当初の希望を変更し、日本語情報学専攻を選びました。

現在は、さまざまな作品に登場する「お嬢様」キャラを抽出し、その言葉遣いや容姿、性格、特徴に共通点があるかを調べようとしています。日本語情報学専攻では、テキストや発話を集めた言語の大規模データベース「コーパス」を使って必要な言葉を抽出するなど、情報技術を使うこともあります。ここでも入学前に想像していた文学部とは異なる幅広い学びがあることを実感しています。また1回生からレポートや小論文を書く機会も多く、文章を書く力は格段に向上しました。

一方課外では、京都市や大学コンソーシアム京都などが母体となり、京都の大学生が参加する学生団体「京都学生広報部」に入り、京都の魅力を全国の中高生に発信する活動に取り組んでいます。京都各地を取材し、WEBサイトで記事を発信することや、京都の社寺や企業とのコラボレーション企画を実施することもあります。初めての取材では、何を聞いたのかも覚えていないほど緊張しましたが、最近は的確に質問し、記事をまとめられるようになってきました。大学に通っているだけでは得られない人との出会いや貴重な経験は、今後につながる宝物です。

「京都学生広報部」での活動の様子

現在は、全体リーダーとして団体をまとめる役割も担っています。メンバーに意欲的に活動に参加してもらうために、一人ひとりとていねいに話すことや役割を与えることを心がけています。リーダーを引き受けたことで、それまであまり得意ではなかったコミュニケーション能力が鍛えられました。将来進む道はまだ明確にはなっていませんが、社会に出て一緒に働く人と良好な人間関係を築く上で、この経験が大きな力になると思います。

文化や歴史、社会や哲学、音楽や芸術など、想像以上に幅広い分野を学べるところが、立命館大学文学部の魅力です。私が夢中になって研究している「役割語」に出会ったように、ここでなら自分が心から興味を持って学べることを見つけられるはずです。

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