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2025.07.10
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ゲスト講義実施報告(創価大学文学部 倉橋 耕平 准教授)
2025年春学期の「日本文化・社会論」(担当教員:山口 智美)最後の授業日に、メディア研究者の倉橋耕平先生をお迎えし、「ネット右翼再考〜背景から現在へ」と題したゲスト講義を実施いただきました。
講義ではまず、「ネット右翼とはどんな人たちなのか?」という問いから始まりました。
ステレオタイプのイメージとは異なり、実際には40代以上の中高年層が中心であり、中でも経営者や自営業者に多いという調査データが紹介され、受講学生からは新しい発見だったという声が多くありました。
続いて、ネット右翼を支える「メディア文化」に焦点があてられました。1990年代の歴史修正主義的なメディアキャンペーンと、インターネット文化が結びつく中で、ネット右翼の特徴が形成されてきたことが説明されました。たとえば、アマチュア的な発信と商業主義の融合、「ディベート」や「論破」の重視、マンガや論壇を通じた“参加型文化”と“集合知”の形成、そして朝日新聞への強い敵視などが挙げられました。
また、「反マスメディア」であることや、「普通の日本人」という自己イメージ、さらには陰謀論的な言説が広がっている背景についても丁寧にご解説いただきました。
最後にインターネットで支持を集める政党や政治勢力が、どのような文化やコミュニケーション戦略を用いているのかという問いを倉橋先生が学生に投げかけ、講義は終わりました。学生はそれぞれ、課題の中でその問いへの答えを考えることとなりました。
今回の講義は、ネット社会と現代政治、メディア文化の関係や、排外主義をめぐる現状を考えるうえで、非常に多くの学びと刺激を与えてくれる貴重な機会となりました。
2025.07.09
国際関係学は、単に外国について学ぶのではなく、自国と他国の関係性や背景を多角的に理解する学問。日本を外からの視点で見つめ直すことで、世界を見る視野が広がりました(4回生 岸本 幸弘さん)
2025.07.08
ゲスト講義実施報告「自由貿易の行く末と経済外交」(外務省 佐藤大輔参事官)
「日本外交論」(担当教員:山本 忠通 客員教授)の授業にて、外務省(現在、内閣官房TPP等政府対策本部に出向中)の佐藤大輔参事官をゲスト講師としてお招きし、「自由貿易の行く末と経済外交」をテーマにご講演いただきました。

講義では、現在の日本を取り巻く国際情勢を解説いただいた後、「自由貿易の意義と制度化」、「多角的自由貿易体制の限界と深化」、「国際社会の構造的変化と自由貿易体制への挑戦」、「自由貿易体制の行く末」という4つのテーマについてお話いただきました。


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日本の経済連携協定等について、これまでの経緯や成り立ちを振り返りつつ、具体的な取り組みや課題について解説いただきました。
国際関係学を学ぶ学生達にとって、専門家の方から実際の経済外交のお話を伺うことができた今回の講義は、大変貴重な学びの機会となりました。
2025.07.04

1972年に創設された国際交流基金は、芸術と文化の交流、海外における日本語教育の普及(日本語教師の派遣と共に、各国の日本語教師の能力強化)、並びに日本研究と日本研究における知的交流(個人のフェローシップ、及び各国の日本研究機関への支援)の3分野に特化しているとのことで、それぞれの分野における具体的な事業の説明があった。

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ゲスト講義実施報告「自分だけの真実の見つけ方・伝え方」(国際交流基金 国際対話部長 原 秀樹様)
「プロフェッショナル・ワークショップ」(担当教員:石川 幸子)にて、国際交流基金 国際対話部長の原 秀樹氏をお招きして「自分だけの真実の見つけ方・伝え方」というテーマで講義を行って頂いた。
その後、「自分だけの真実」についてGoogle Formを使用したワークショップに移行し、学生たちに考えさせる授業を展開した。「自分だけの真実」とは、自分からはこう見えた(I believe)、自分はこう感じた( I feel)という、嘘偽りのないことと理解すればよいが、それには3つの条件がある(①自分自身で観察した結果でなければならない。②事実の一側面でしかないことを認識する。③事実の全容解明には全方向からの意見を聞く必要がある)。
ゆえに真実は人の数だけある。これを個人という自分で考えると、平野敬一郎が言っているようにin(否)+divided(分ける)ゆえに多くの側面を合わせたものが自分であることを理解すべし。自分が”I believe, I feel”の領域を越えて皆の意見を聞いて、”I think”の段階に移っていくということが大人になることではないかとの問いかけがあった。(かなり哲学的レベルの話ではあった)
学生からの「日本の曖昧さについてどのように考えるか」という質問には、「日本には“ほどほど”という概念があって、はっきりとNOと言わないことで平和に生きていけることが、世界から見直されている。日本の弱みだったものを境の現状の中で使えるのではないかと、我々が気づかないところで見ている人たちがいる」との言及があった。
国際交流基金で外国の日本研究者たちとの交流を促進している原氏ならではの授業となった。
2025.07.04


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ゲスト講義実施報告(三井住友銀行 関西成長戦略室室長代理 澤嶋 侑太 様)
「プロフェッショナル・ワークショップ」(担当教員:星野 郁先生)の授業にて三井住友銀行 関西成長戦略室室長代理の澤嶋 侑太様をお招きし、講義をしていただきました。
澤嶋氏は、2010年3月に国際関係学部を卒業し、株式会社三井住友銀行に入社、池袋、横浜、新宿支店で法人営業、大阪本店でコーポレート・アドバイザリー(M&A)業務をご経験の後、現在は関西成長戦略室で関西万博関連を担当されています。
まず、イタリア留学やアルバイトなど、学生時代のご経験についてお話しいただいた後、三井住友銀行ご入行後のご経験の話に移り、中小企業の法人営業をご担当された池袋支店に始まり、その後の横浜・新宿支店での法人営業、大阪コーポレート・アドバイザリー業務のご経験やご苦労についてお話いただきました。現在は関西成長戦略室で、関西万博の決済業務をご担当されているとのこと。
次に、ご自身の就活について話され、給与水準へのこだわりや、退屈なルーティン業務ではなく、刺激的で多様な業務に携わりたいとの希望から、銀行、保険を含む金融関係や総合商社を受けたことをお話いただきました。
入行後のご苦労に関しては、ちょうどリーマン・ショックの直後ということで、営業先の企業で経営に行き詰まるところも多く、融資ではなく資金の回収で苦労し、辞めたいと思ったこともあったが、業務に慣れ、担当も次第に大手企業となり、また多様な業種の企業とお付き合いできることで、刺激的でやりがいがある仕事であることを語られました。
最後に、現役生へのアドバイスとして、自分の特性・個性と、業界・企業風土が合うかや、短期的視野に陥ることなく、長期的な視点に照らして、会社選びを進めてほしいこと、国際関係学部での多様な学びは将来必ず役に立つので、今のうちにしっかり学んで欲しいとお話されました。
講演を受けて、受講生からは活発な質問が出され、澤嶋氏も、銀行にどんなイメージを持っているか受講生に尋ねるなど、インタラクティブなやり取りが行われ、講演は盛況のうちに終了しました。
2025.06.26



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ゲスト講義実施報告「立命館から霞ヶ関へ~外務省、国家総合職という選択肢~」(外務省 大臣官房人事課 尾澤 崚太様)
「国際公務セミナー」(担当教員:西村 智朗 他2名)の授業にて、国際関係学部(国際公務プログラム)を2023年3月に卒業し、外務省に総合職として入省した尾澤 崚太氏をお迎えし、「立命館から霞ヶ関へ~外務省、国家総合職という選択肢~」というタイトルでご講演いただいた。
講演では、外務省を志すに至った動機や、安全保障・国際情勢への関心、国際関係学部生時代の学びや成長のエピソードなど、キャリア選択に至る過程について語られたほか、外務省入省後の初期研修、本省での2年間の勤務、在外研修や大使館勤務、そして帰国後の中堅職員としての役割まで、講演者自身の経験を踏まえた入省後の活動について紹介がなされた。
そのほか、国家総合職と専門職との違いや、それぞれの海外研修・勤務の特徴(例:語学研修、大学院での修士取得、地域・言語ごとの配置など)についても説明がなされた。さらに、若手職員としての実務経験をもとに、講演者が実際に関わった政策実施の具体例が紹介され、実際の業務量やスケジュールに触れつつ、仕事の充実感ややりがいについて、個人的なエピソードを交えながら語られた。
そのほか、国家総合職と専門職との違いや、それぞれの海外研修・勤務の特徴(例:語学研修、大学院での修士取得、地域・言語ごとの配置など)についても説明がなされた。さらに、若手職員としての実務経験をもとに、講演者が実際に関わった政策実施の具体例が紹介され、実際の業務量やスケジュールに触れつつ、仕事の充実感ややりがいについて、個人的なエピソードを交えながら語られた。
また、入省後、現場での経験や外務省特有の多様な業務(政治、経済、文化、国際協力など)に触れる中で、視野が広がったこと、同期との絆やチームワークの重要性などについても述べられ、多岐にわたる経験が自身の成長とキャリア形成に大きく寄与しているとの見解が示された。
講演の後半では、質疑応答が行われ、国際公務セミナー受講者を含む参加者からの多様な質問に丁寧に回答いただいた。
特に、「サブスタンス」と「ロジスティックス」の違い、外交会合での準備・運営の実務、公務員試験(官庁訪問)における自己表現の方法などに関する質問が寄せられた。これらの質問に対して、「自身の多様な経験を率直に語ること」の重要性などが強調され、加えて、現場での調整の実際や緊急対応のエピソードも紹介されるなど、参加者の理解が深まる内容となった
特に、「サブスタンス」と「ロジスティックス」の違い、外交会合での準備・運営の実務、公務員試験(官庁訪問)における自己表現の方法などに関する質問が寄せられた。これらの質問に対して、「自身の多様な経験を率直に語ること」の重要性などが強調され、加えて、現場での調整の実際や緊急対応のエピソードも紹介されるなど、参加者の理解が深まる内容となった
本講演を通じて、外務省における職務が、国内外のさまざまな分野において実践力と高い専門性、そして柔軟な対応力を求められるものであることが参加者に明らかになった。また、政策の「中身」と「運営」の両面において重要な役割を果たす国家総合職の実態を知る貴重な機会となり、公務員を志望する学生にとってとても有意義な情報提供の場となった。
最後に、講演者から公務員を目指す後輩へのメッセージとして、学業のみならず多様な経験を積むこと、自分の特性や強みを理解し柔軟に対応する姿勢の大切さが語られ、参加者の今後のキャリア形成に向けた意識の向上にも大きく貢献する講演会となった。
2025.06.23


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ゲスト講義実施報告(PLANETS 代表編集長 宇野 常寛様)
「社会学」「専門演習」(担当教員:CHEUNG YUK MAN)の授業にて、PLANETS 代表編集長の宇野常寛様をゲスト講師としてお招きし、日本のサブカルチャーを通して、日本戦後政治思想史の変化をどう捉えるのか、押井守と日本サブカルの研究についてご講演いただきました。
宇野氏は社会科学と文芸論の角度から、戦後日本におけるポピュラーカルチャー、サブカルから見られる創造と想像を分析し、冷戦が終わってからのグローバル的な時代における、ネットカルチャー、情報社会とサブカルの発展についてお話し頂きました。
戦争と平和、情報社会と政治の関係など、学生から出されたさまざまな質問に対して丁寧に回答していただいただけでなく、学生に助言をいただく等、学生の卒論の準備に大変役に立つ講演となりました。