TOPICS
2024年のTOPICS
2024.05.01


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ゲスト講義実施報告(JICAトンガ王国支所長:高島宏明様)
「専門演習」(担当教員:嶋田晴行先生)の授業にて、これまで35年間以上、JICA職員として国際協力に携わり援助の最前線で活躍されてきた、現在JICAトンガ王国支所長の高島宏明様にトンガをはじめとする太平洋諸国の政治・経済状況と援助の動向についてトンガよりリモートで講演いただきました。
中でも米国と中国が互いの影響力を競い合うという国際政治の構図が太平洋諸国へも当てはまる点、日本の50年以上にわたる海外協力隊などの支援(例:そろばんの普及、日本語の普及)がトンガにおける教育面で重要な役割を担っている点、そして何より日本にいる学生にとって馴染みがあるとは言えない太平洋諸国の現状を現地からの報告で伺えた点は、今後ゼミで国際協力・援助に関する学習を深める上で大変貴重な機会となりました。
2024.04.25



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ゲスト講義実施報告「超SDGS時代における未来共創に向けて~私たち一人ひとりが為すべきこと~」(特定非営利活動法人 Forum2050代表 戸田隆夫様)
「専門演習」(担当教員:石川幸子先生)の授業にて、元独立行政法人国際協力機構(JICA)審議役で、現在はForum2050を主催されている戸田隆夫様をゲスト講師としてお招きし、講義を行っていただきました。
戸田様には”超SDGS時代における未来共創に向けて~私たち一人ひとりが為すべきこと~”と題する講義を行っていただき、授業は、学生たちとの対話を重視し、インタラクションを重ねていく方式で行われました。
本授業では、従来の国際協力の常識を疑って、新たな発想で物事の有り様を考え行動を起こしていく重要性を学生たちに理解してもらうことを目的とし、戸田様はまず、学生たちに「未来をどう捉えているのか」について質問を投げかけました。
学生たちの回答は、必ずしも明るい未来を想定しているものではありませんでした。
戸田様は、現在のSDGsの達成状況が芳しくないことについて触れ、地球温暖化への対応が待ったなしであること、COVID-19のパンデミック期には先進国での死亡者が途上国の死亡者の数を大きく上回り、既に先進国が途上国のロールモデルにはなりえないことが判明したこと、並びに国内外での経済格差が広がっていることから、我々の未来が複雑かつ不安定であることを指摘されました。
そのうえで、今後、SDGsを越えた未来に向けてリーダーがすべきことを学生たちに説明されました。
次に、学生たちを小学校教育のアドバイザーだと想定のうえ、途上国で予算もその他のリソースも乏しい小学校を立て直すために国の大統領にどのようなアドバイスをするかという質問を行いました。(これは実際にニジェールで実施されたJICAの「みんなの学校プロジェクト」のケースであるが、学生たちはそのことを知らされていない)
学生たちの回答は、外からの援助に頼る意見が多かったですが、戸田氏は、コミュニティや親を学校運営に参加させるという維持可能な開発に基づいた学校運営を行った実例を話し、sustainable developmentを考える上で、発想の転換が重要であることを説明されました。
今回の授業は、物事を柔軟に考えることで維持可能な開発を生み出していくことができることを学生たちに伝える貴重な時間となりました。
2024.04.19


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ゲスト講義実施報告(JICA安全管理部次長:今井 健様)
「プロフェッショナルワークショップ」(担当教員:石川幸子先生)の授業にて、JICAにて安全管理部次長として勤務されている今井健様をゲスト講師としてお招きし、講義を行っていただきました。
今井様には政府開発援助(ODA)を含む国際協力の在り方について講義を行って頂いた後、ODAに関連したタンザニアのケースを題材とするグループ・ディスカッションを行う時間を取り、学生たちに考えさせる授業を展開して頂きました。
講義では「何故、国際協力が必要なのか」を考えることから始めました。
冒頭、学生たちが国際協力に従事したいと考える際に陥りやすい感情的な理由(途上国の貧困に苦しむ人たちを助けたい等々)を正し、国際協力には「国益」という視点が入ってくることを強調されました。
次に、近年のJICAによる国際協力のトレンドが、民間連携事業(中小企業・SDGsビジネス支援事業、及び海外投融資)であることに触れ、どんな形であっても国際協力は可能であることを学生たちに伝えられました。
最後に、タンザニア南部の農村部(住民1500人で、最も近い町まで車で未舗装の道を3km、低い就学率という条件設定)を援助するODAプロジェクトを立ち上げる予算を取るために上司を説得しなければならないという目的の下、グループで効率的なプログラム案を作るというワークショップを行いました。この回答は、個人のレポートとして1週間以内に提出される予定です。
今井様は、各人のレポート内容にコメントを付けての返却することを学生たちに約束し授業は終了しました。授業終了後には、質問の長い行列ができ、今井様には30分ほどを学生の質問に丁寧に回答頂きました。
2024.05.17