アジア・マップ Vol.01 | ヨルダン

読書案内

吉川卓郎(立命館アジア太平洋大学アジア太平洋学部・教授)

佐藤麻理絵. 2018. 『現代中東の難民とその生存基盤―難民ホスト国ヨルダンの都市・イスラーム・NGO―』ナカニシヤ出版.
中東有数の難民ホスト国であるヨルダンにおける、イスラーム的NGOをはじめとする支援団体の活動と関係を包括的に分析した、中東の難民支援のメカニズムを理解するための必読書。
池端蕗子. 2021.『宗教復興と国際政治―ヨルダンとイスラーム協力機構の挑戦』晃洋書房.
国際関係論の議論でしばしば登場しながらも十分に理解されたとは言い難いイスラームを巡る、国際機構・国家・非国家主体のネットワークを読み解く、画期的な作品。ヨルダンのイスラーム政策にも詳しい。
渡邊駿. 2022. 『現代アラブ君主制の支配ネットワークと資源分配―非産油国ヨルダンの模索―』ナカニシヤ出版.
ヨルダンの王制を、支配と資源分配、王家‐支配エリート関係、政治改革を巡る論争、中央‐地方関係など多方面から分析。他の君主制アラブ諸国との比較という視点も提示しており、君主制の将来を考えるうえでも示唆に溢れた書。

書誌情報
吉川卓郎「ヨルダンの読書案内」『《アジア・日本研究 Webマガジン》アジア・マップ』1, JO.5.02(2023年1月10日掲載)
リンク: https://www.ritsumei.ac.jp/research/aji/asia_map_vol01/jordan/reading/