教員紹介
- 日本語
専門は「日本語言語学」、つまり、日本語を国語ではなく一つの言語として研究することです。私が飽きずに続けているテーマは「条件文」です。日本語には英語の if に相当する表現が少なくとも 4つ(「と」、「ば」、「たら」、「なら」) あり、なぜ、4つもあるのか、その分化のメカニズムを探っています。これは外国人に日本語を教える日本語教師を悩ませる文法項目の一つとしても注目されています。最近は、地域差にも関心を持ち、特に、九州方言特有の条件形式を調べています。現地でインタビューするたびに日本語の多様性を実感し、そこが面白くて、やめられません。
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古代(奈良時代)から現代までの文法(歴史的用法・変化)、特に「これ・それ・あれ」といった指示詞や「さて」などの接続詞を中心に研究をしています。
さて、普段、何気なく使っている指示詞ですが、「こ・そ・あ」はどのように指し分けているのでしょうか。「そこ」はどこでしょうか。また、古代でも同じように使っていたのでしょうか。このような謎に対し、現代語はフィールドワーク、古代語は歴史コーパスなどを用いて調査し、分析しています。
さて、普段、何気なく使っている指示詞ですが、「こ・そ・あ」はどのように指し分けているのでしょうか。「そこ」はどこでしょうか。また、古代でも同じように使っていたのでしょうか。このような謎に対し、現代語はフィールドワーク、古代語は歴史コーパスなどを用いて調査し、分析しています。
COLUMN
「黄昏」は、「誰そ彼(そこにいるのは誰)」だった。 変わり続ける日本語、1000年の長い旅。
日本語情報学専攻
岡﨑 友子
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コーパスを使った日本語の表記の研究に取り組んでいます。コーパスとは,実際に使われた言葉を大量に集めて,コンピューターで使えるようにしたデータベースです。コーパスから実例を取り出して分析することで,「ディスプレー」と「ディスプレイ」はどちらが多く使われているか,これらの表記に使い分けがあるのかといった言葉の使われ方に関する問題をより正確に明らかにできます。頭で考えていたのと違う結果や想定していなかった結果が出ることもあります。これがコーパスを使った研究の面白さです。また,このような研究成果は国語辞典の充実や言葉の教育,情報科学などへの貢献につながります。日本語研究は,意外と実用的な研究なのです。
COLUMN
文学と工学が越境する「日本語コーパス」の学び
日本語情報学専攻
小椋 秀樹
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地名は地域で共有され、受け継がれてきた社会的・文化的・歴史的な産物で、そのひとつひとつはその地域ならではの固有の存在として位置づけられます。そのような地名がどのようにして名付けられたのかという「ことば」としての起源を辿る探求は、長らく地名研究の主流を成すものとして取り組まれてきました。しかし同時に、「ことば」は受け継がれていくなかでその使われ方が変わっていくということも重要です。私の研究では、誰がどのようにして地名を使ってきたのか(あるいは使わなくなったのか)、その時々の地域社会の意思や背景を踏まえた分析を通して、地域と不可分の関係にある地名の機能や性質を解明しようとしています。
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ことばって不思議ですよね。例えば、日本語で「太郎はリンゴを食べた」とは言えますが、同じ意味をもつ文として、「太郎はリンゴが食べた」とは言えませんよね。一方、英語では、Taro ate an appleとなり、日本語の「が」や「を」に相当する格助詞と言われる要素が表面上現れません。私は現在、このような格の文法的役割やそれによってもたらされる意味解釈の差について、先行研究をベースに研究しています。より広い範囲の意味での研究としては、上記のテーマに限らず、私たちが「無意識にもっている知識」の諸側面を対象とし、それに対し理論的な説明を与えるという、理論言語学の考え方に基づくアプローチをしています。
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最近の漫才で、「ボケを否定しないつっこみ」という形が出てきました。従来型の「なんでやねん!」とボケを否定するパターンを逸らして、「それもありだね」と受け止める変化球型です。一例ですが、典型例に当てはまらない多様性を認めていこうという社会的動きがみえます。同じような変化が、言語教育でも起きています。従来の言語教育では、「日本人は謙遜する」のような典型的な言動の研究や教育が当然とされていました。しかし、多言語・多文化が入り混じる現代社会では、○○人や○○語を越えた柔軟なコミュニケーション能力が鍵となります。このような、翻訳アプリでは代用できない能力や育成方法とは何かについて研究しています。
COLUMN
世界各国の留学生と一緒に学び、
課題解決に取り組む
言語学・日本語教育専攻
北出 慶子
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第二言語語彙能力の鍵は語彙が定着するまで再出会いの数です。大学入学試験は、最低5千英単語が必要です。そして、単語だけでなく定型表現が欠かせません。意図的かつ偶発的な 学習両方が大事です。さらに、暗示的能力は(例:留学や英語媒体教育を通して)どのように発達するのか複雑な過程です。現在、留学生で見られる暗示的能力とそれにおける定型表の評価方法を開発しています。単語の数、短期記憶力の貢献、定型表現の偶発的な学習などの相互作用を調べています。研究で、英語圏で留学する英語非母語話者にて上記の能力を評価するテストを作りました。これから日本語非母語話者のテストも計画したいです。
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「第二言語」として日本語を学んでいる人たちを対象に、日本語学習に関わる心理的要因と効果的な日本語指導の方法について研究しています。みなさんのほとんどは英語を学んだことがあると思いますが、なかには英語に加えて中国語や韓国語などの第二外国語に関心を抱いている人もいるのではないでしょうか。日本語学習者の場合も多くは、日本語だけではなく英語を学んでいる人がほとんどです。しかし、国際的な言語である「英語」と「(日本語を含む)英語以外の言語」では、学習に対する動機づけや学習にかけられる時間などが異なる場合もあります。私は、このような複言語話者としての日本語学習者に着目し、動機づけの実態や動機づけを高めるための働きかけの方法を探っています。
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