教員紹介

  • コミュニケーション

人間研究学域

相互依存の中にいる生身の人間の哲学
キーワード :
生命、感情、関係性

伊勢 俊彦教授

所属専攻:
哲学・倫理学専攻
専門分野:
英語圏を中心とした近現代の哲学
理性的に考え、他人に頼らずに自分の判断で行動する。哲学という学問分野では、そんな人間のあり方を前提として、人間の認識や行動を理解しようとするのがずっと主流でした。しかし、人間は理性的な精神だけでなく、生身の体や喜怒哀楽の感情をもち、おたがいに頼り頼られする関係の中で生きる存在でもあります。必ずしも理性的なばかりではない人間のあり方に注目する流れは、最近になって大きくなっていますが、それにつながる思想は、200年以上も前から、たとえばヒュームという哲学者によって展開されています。私は、こうした過去の遺産にも学びながら、相互依存の中にいる生身の人間のあり方を探究しています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

考えること、感じることの範囲を広げましょう。目の前にあることにとらわれすぎず、異なった地域や時代の思想や文学に触れてください。いろいろなジャンルの映画や音楽を楽しむのもいいと思います。それぞれの「今、ここ」が、どんな歴史的時間・社会的空間の広がりの中にあるか、大きな見取り図を描いていきましょう。

もっと見る閉じる

人間研究学域

高等教育におけるコンテンプラティヴ教育
キーワード :
コンテンプラティヴ実践、心身相関的介入 

加納 友子教授

所属専攻:
教育人間学専攻
専門分野:
コンテンプラティヴ教育、教育人間学
コンテンプラティヴ教育とは、様々な身心変容技法の実践をとおして、人間が本来有する善性の開花を目的とする教育システムです。特に私の研究では、ヨーガおよび生理的測定法の実践によって学習した身体への気づきの力が、感情と思考の気づきへと発展していくこと、さらにそれらが超越されていくという意識のプロセスに着目します。この研究の面白みは、文献研究や調査・実験を行うだけでなく、自らもコンテンプラティヴ実践に身を投じ、意識の変容プロセスを実感しつつ進める点だと思います。研究者が気づきの能力を高め己を理解すればするほど、教育と人間についての理解が深まる。それがコンテンプラティヴ教育研究の醍醐味です。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

「信頼」や「愛」を言葉にするのは簡単でも、それらを捉え実践する難しさに直面して、この研究を始めました。そして、学生の皆さんと取り組んで明らかになったのは、コンテンプラティヴ実践により二元論的思考を乗り越えた時、「他者や世界との一体感」が自然と意識に顕れうるということでした。意識の観点から人間の本質を探求してみませんか

COLUMN

他者を思いやる心を育むコンテンプラティヴ教育。 争いやいじめのない世の中をつくるための挑戦。

教育人間学専攻

加納 友子

もっと見る閉じる

人間研究学域

精神分析から見える人間の不可解な心理
キーワード :
精神分析、心理臨床

山本 昌輝教授

所属専攻:
教育人間学専攻
専門分野:
心理療法、心理査定
私は精神分析学をバックボーンに、日常の行動の背後に隠されている心の動きを分析し解明することに従事しております。そのようにして得られた知見をまずは心理面接(心理的対人援助)に活かすのです。
そしてそれらの知見の集積は、人間の生き様の解明でもあります。人格がどのように形成されるのか、そしてその過程で私たちは多くのものをみて理解することができるようになる一方で、それと同じくらい、あるいはそれ以上に多くを見ないし理解しようとしなくなっていることに気づかされます。
私の研究は一見何の意味もないように見える個人の行動や生活の営みの背景に隠れている意味を明らかにすることで、ここが一番の面白いところです。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

当たり前と思えることに敢えて疑問を投げかけましょう。私たちは、知らぬ間に当たり前と思い込んでいることが多く、そのことが真実を見えなくしてしまっていることに気づきましょう。そうすることで新しい世界を発見することになります。好奇心と探究心が私たちを日常の世界に覆い隠された世界への扉を開くことになります。

もっと見る閉じる

日本文学研究学域

デジタル情報社会におけるリアルな「場」としての図書館の社会的、教育的意義について考える

久野 和子教授

所属専攻:
日本語情報学専攻
専門分野:
図書館情報学
デジタル情報社会の中で、一時期は図書館不要論も唱えられましたが、今や公共図書館は地域活性化、まちづくりの中核として活況を呈しています。公共図書館は、静かな読書と勉強の場というイメージを脱却し、出会いと交流の場として、あらゆる人びとの生活と生涯学習を支えています。大学図書館でさえも会話や飲食のできるコモンズやカフェを擁し、学校図書館も生徒の心の居場所、交流の場ともなっています。「場としての図書館」研究は、複層的な機能と空間によって大きく変容する図書館の新たな意義と社会的、教育的価値を学術的に考察する図書館情報学の新しい分野です。なので、私は図書館の新たな可能性を開拓すべく、いつも研究に夢中になっています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

現代社会においては、人々の社会的格差や分断が拡大し、地域や家族のつながりが薄れ、環境破壊や自然災害、戦争などで多くの人々の生命と生活が脅かされています。実は、図書館はそうした課題解決にある程度寄与できる可能性と示唆を持っています。皆さんの身近にある図書館をぜひ広い視野をもって応援していただきたいです。

もっと見る閉じる

東アジア研究学域

自分らしく、安心して、言語を学べる基盤づくり
キーワード :
学習者言語、言語能力の評価、ジェンダー

三木 貴司准教授

所属専攻:
現代東アジア言語・文化専攻
専門分野:
韓国語教育、日本語教育
最初は挨拶一つままならない学習者が、学んだ言語でお礼を言ったり、相手の気持ちを察して声をかけたりと、人とつながるのを見るのは本当に嬉しい瞬間です。でも、その過程では、「どうしたら、この発音できるんだろう?」「どうして、意図が通じないんだろう?」「どうしたら、中級の壁を越えられるんだろう?」「どうして、この語を使いたがらないんだろう?」など、学習者としても教員としても多くの疑問がわいてきます。その答えを見つけるため、学習者言語の特徴を分析したり、「中級」と「上級」との見分け方を探求したり、特定の属性を持つ人(時にマイノリティ)が不安を感じないような学習のありかたを模索したりしています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

他者の言語や文化を知れば知るほど、実は自分のことについてあまり知らなかったことに気づき、自分のアイデンティティと対話する機会が増えます。一見似た面の多い「東アジア」には、そんなわくわくする機会がごろごろ転がっていると思います。ぜひ、貴重な学生時代に「東アジア」に触れて、自分らしい生き方を探るきっかけにしてみてください。

もっと見る閉じる

国際コミュニケーション学域

異文化コミュニケーションとテクノロジーをつなげる
キーワード :
動機づけ、異文化間コミュニケーション、SNS

APPLE MATTHEW THOMAS教授

所属専攻:
国際英語専攻
専門分野:
第二言語習得、異文化間コミュニケーション
コミュニケーションスキルを向上させるにはどうすればよいですか?通信相手を理解するにはどのような知識が必要ですか?他の人が私に伝えようとしていることを理解できないことがあるのはなぜですか?こんなような質問は、私は学生の時がありましたが、誰もおそらく同様な考えがあるのでしょう。教師として、私は、英語の日本人学生の動機や不安、カナダ社会で相互作用するさまざまな言語グループの文化的および歴史的背景など、異文化コミュニケーションのあらゆる側面についてもっと知りたいと思っています。特に、最近はモントリオールの英語圏とフランス語圏のコミュニティ間の継続的な緊張の複雑な歴史的背景を調査します。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

「間違いは成功への第一歩です」それは単なることわざではなく、事実なのです。コミュニケーションミスを恐怖せずに、もう一回してみてください!

もっと見る閉じる

国際コミュニケーション学域

ひとの数だけことばあり(社会的な生きものとしてのことば)
キーワード :
多様性、言語変異、言語変化

久屋 愛実准教授

所属専攻:
国際英語専攻
専門分野:
社会言語学、ことばのバリエーションと変化
同じことを言うにもたくさんの形式があります。これを社会言語学では「バリエーション」と呼んでいます。例えば「これはここでしか食べられないものだ」と「これはここでしか食べれないものだ」、皆さんどちらを使いますか?両者は、一般的には「正用」・「誤用」で判断されがちですが、学術的には話者の属性や発話場面といった「社会的」要素を反映する興味深い現象です。こうしたことばのバリエーションを観察し、ことばと社会のダイナミックな関係性を研究しています。また、コーパスを用いてバリエーションを量的に分析し、ことばの変化を予測する研究も行っています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

英語でも日本語でも、実生活においては学校で「正しい」と学んだものとは異なる発音・語彙・文法を見聞きすることがよくあります。ことばの観察を通して「多様性」への理解を一緒に深めていきましょう。

もっと見る閉じる

国際コミュニケーション学域

スピーチを音響分析し諸言語の音声特徴を解明
キーワード :
コミュニケーション、 音声分析、外国語教育

津熊 良政教授

所属専攻:
国際英語専攻
専門分野:
音声学、音韻論
現在社会のあらゆる場面において、ますます加速する日本のグローバル化を感じさせられます。21世紀の日本人はこれまでの受信型から発信型へと思考改革をする必要性に迫られています。多文化共生社会を迎える近い将来、英語や他の外国語での生きたコミュニケーション能力が必要です。わたしの研究は、アクセント・イントネーションなど言語間における韻律的特徴の対照音声学的研究を課題として、日本語、英語、中国語等の韻律研究を続けています。実験音声学的手法を用い、言語音声の音響分析を通じて、諸言語の音声特徴と音韻ルールを客観的に解明し、その結果を外国語教育、とりわけ英語や日本語音声教育に生かしていきたいと思っています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

日本人が国際共通語である英語のスピーキング能力を身に付けようとする時、どうしても日本式英語になります。それを気にするがあまり消極的になり双方向のコミュニケーションが取れないなんてもったいない。多数派であるノンネイティブとしてもっと堂々と英語を話しましょう。

もっと見る閉じる