教員紹介
- 教職
子どもは様々な日常経験から驚くほど豊かな知識を獲得しています。しかしこうした知識は学校の授業で扱われる科学的な知識とは矛盾していることも多く、それが原因で学習内容の理解が困難になったり、学習意欲が低下したりすることがあります。一方で、知識自体には誤りがあるものの、その思考プロセスは決して行き当たりばったりではなく、極めて論理的であることが分かっています。
子どもの間違った答えを丁寧に分析し、子どもがどのような知識を授業に持ち込み、どのように思考するか、また持ち込んだ知識がどのような変化していくかを明らかにすることで、子どもの目線に立った教育実践の手がかりが得られると考えています。
子どもの間違った答えを丁寧に分析し、子どもがどのような知識を授業に持ち込み、どのように思考するか、また持ち込んだ知識がどのような変化していくかを明らかにすることで、子どもの目線に立った教育実践の手がかりが得られると考えています。
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たとえば犬の赤ちゃんは生れた時から犬。猫の赤ちゃんは生れた時から猫。でも人間だけは、教育によって初めて「人間」になる存在です。そのことの不思議さ、おもしろさ、哀しさ、そして難しさを考え、深く感じるのが教育人間学です。そのように人間が「人間になること」にかかわる無限に豊かな出来事の中で、私は特に、美や芸術の体験が人間の生成・形成にとってどのような意味をもつのかを、思想史を手がかりに考えることを研究テーマとしています。ドイツの詩人シラーが「人間の美的教育」について書いた不思議な書簡の解釈史を中心に、思想史の研究をする傍ら、美や芸術を教育の根幹とするシュタイナー学校の実践にも関心をもっています。
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フランスでは200年以上も、バカロレア試験という、論述式の大学入学資格試験を続けてきました。選択肢問題はほとんどなく、論述試験が中心です。哲学の試験では、「自由とは障害のないことか」という題で論述するといった問題が出ます。作問・採点の中心は、高校教員です。バカロレア試験はどのような評価の考え方に支えられているのか、また、バカロレア試験に向けて、どんな指導や評価をしているのかを研究しています。さらに、日本の学校で、知識を活用して論理的に思考し、表現する力をいかに育み、評価していくべきかを、フランスを鏡としながら探求しています。
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子どもの生活世界にどうアプローチすることができ、またアプローチすべきなのかを方法論的側面から追及しています。例えば子どもの「嘘」や「秘密」は誰もが当たり前に知っていることかもしれません。ですがその意味を考え出すと、単純にいまいましく思ったり、一方で、ほほ笑ましく思ったりするだけでは済まない別次元の意味が見えてくることもあります。こうした意味志向の人間学的哲学的アプローチは抽象的考察に終わらずに、わたしたちが当たり前として疑わずにいる教育観を揺さぶり問い直すきっかけになる場合もあるかもしれません。
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日本の小学生から大学生までを対象に、第二言語であり外国語である英語がどのように習得されるかというメカニズムを明らかにして、その知見を英語教育に生かすことを目指しています。例えば、学習者は現状でどのような英語力(4技能)や言語知識(語彙や文法などの知識)を持ち合わせているのか、それらにはどのような関連性があり、そして、どのように発達していくのかを調査する研究です。1つの研究プロジェクトで解明できることは、多様な学習者の複雑な習得の仕組みのごくわずかな部分ですが、その知見を踏まえて、学習方法や指導法の違いが習得に与える影響や、学習者の言語能力を評価する最適な方法とは何か、といった問題にも取り組んでいます。
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世界規模の課題の解決には世界中の連帯が求められます。様々な価値観を柔軟につないでいくバイリンガル教育の視点は、そうしたグローバル化する社会に貢献できると考えています。バイリンガルになること、バイリンガルであることは特殊なことではありません。一般に考えられている以上に日本は多言語社会ですし、多くの人が多様な言語資源を持っています。そうした言語資源を存分に活用して自分の生を豊かにし、社会に貢献していく、それを支えるための教育がバイリンガル教育です。このバイリンガル教育の視点を日本の英語教育にどう取り入れられるのか、実践に近いところで研究をしています。
COLUMN
使い慣れた母語を土台に、外国語を学ぶ。 バイリンガル教育は、言語教育の新たな挑戦。
国際英語専攻
佐野 愛子
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日本の小学校、中学校、高等学校の英語教育をよくするための研究と指導をしています。世界的研究の動向をみすえ、どう日本のコンテクストに生かせるかを学校現場の先生方、教え子の教員とともに実践しつつ研究をしています。また、バイリンガル教育の学会仲間とともに、日本語を母語としない児童・生徒、海外在住で日本語も自分の一つの言語として伸ばしたい人、および広くバイ(マルチ)リンガルとして生きることを望む人々の言語指導の方法や研究を進め、支援をしています。言語は人の人生や社会と密接に関わっています。言語から自分と世界が見えてきます。
COLUMN
小中高の英語授業改革-「使える」英語力の育成を目指して
国際英語専攻
湯川 笑子
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