アジア・マップ Vol.03 | モルディブ

モルディブの21世紀年表

荒井 悦代(独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 地域研究センター南アジアグループ 研究グループ長)

2001年 政府が工業化を目指す「2020ビジョン」発表。
2002年 日本の支援によるマーレ島の護岸工事完成。
2003年 マーフシ刑務所収容者死亡をきっかけに反政府暴動発生。
マウムーン・ガユーム大統領は批判をかわすべく人権委員会設置。
スリランカに亡命政党としてモルディブ民主党(MDP)設立。
2004年 マーレでガユーム大統領の辞任を求める大規模な反政府運動。大統領は,非常事態宣言を発出し,抑圧。
スマトラ沖地震で津波被害。
2005年 MDP指導者のモハメド・ナシードが亡命先から帰国。
複数政党制導入。
2006年 マーレの防波堤がインド洋津波からマーレ島を深刻な被害から守ったとして,モルディブ政府は日本国民にグリーン・リーフ賞を授与する。
2007年 在日モルディブ大使館開設。
マーレ島のスルタンパークで爆弾テロ発生。
低海抜諸国による気候変動に関する会議を開催。
2008年 新憲法制定。
反腐敗委員会設立。
最高裁判所や選挙委員会設立。
大統領選挙実施。決選投票でナシードが勝利し,大統領就任(~2012年)。
2009年 国会議員選挙が実施される。MDPは第2党にとどまる。
ナシードがスキューバダイビングの装備を身に着け海底でCO2排出量削減を訴える請願書に署名
ナシードがコペンハーゲンで開催の気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)で二酸化炭素排出削減を呼びかけ。
2010年 地方分権法制定。
2011年 後発開発途上国から中所得国に移行。
2012年 国民皆保険制度Aasandha導入。
ナシード大統領辞任、副大統領ワヒードが大統領に就任。
マーレ国立博物館が暴徒に襲われる。
2013年 モルディブ進歩党(PPM)のアブドッラ・ヤーミーンが大統領に就任。
2014年 習近平が中国国家主席として初めてモルディブ訪問。これを機に21世紀海のシルクロード構想への参加を正式に表明。
ヤーミーン大統領が大統領として初めて日本を公式訪問。安倍晋三首相と首脳会談。
産業を多角化するため海外からの投資を募るべく経済特区法を承認。
2015年 ナシードがテロリズムに関連したとされ、逮捕される。
憲法改正により,10億ドル以上の投資を条件として外国人に土地所有を認める。
モルティブ・中国友好大橋建設を開始。
2016年 在モルディブ日本国大使館を開設。
国家反テロリズム・センター設置。
ジェンダー平等法制定。
英連邦(コモンウエルス)から脱退。
2017年 ヤーミーン大統領訪中。中国と自由貿易協定(FTA)締結。モルディブにとって初のFTA。
日本と外交関係樹立50周年式典開催。
2018年 モルティブ・中国友好大橋が完成 。
MDPのイブラーヒム・ソーリフが大統領就任。
ナシードが政界復帰。
英連邦再加盟要請。
2019年 ヤーミーン前大統領がマネーロンダリングの疑いで逮捕される。
モルディブ政府がバングラデシュ人からの新規労働者受け入れを1年停止。
国会議員選挙でMDP単独過半数を獲得。
憲法改正により外国人の土地所有は再び禁止され,99年までのリースが認められる。
2020年 英連邦再加盟。
3月リゾートで外国人のコロナ感染者発生。緊急事態宣言発出。
7月リゾート島における観光再開。
10月ゲストハウスの営業再開
2021年 ナシードが爆弾テロで負傷。
ナシード国会議長が政治イデオロギーの違いを理由にソーリフ大統領と決別する。
2022年 ロシアのウクライナ侵攻に関する国連決議に賛成。
2023年 最高裁判所,マネーロンダリングと汚職容疑でヤミーンの大統領選挙出馬に禁止命令。
大統領選挙実施。決選投票の結果,現マーレ市長のモハメド・ムイズが「インドアウト」を掲げて選出される。
2024年 1月:ムイズ大統領,中国を訪問し習近平国家主席と会談。両国関係を包括的戦略協力パートナーシップへ格上げすることを宣言。

2月:モルディブに駐留するインド軍の撤退でインドと合意。

4月:議会選挙投票。ムイズ大統領率いるPNC(人民国民会議)が過半数を確保。

書誌情報
荒井 悦代 「モルディブの21世紀年表」『アジア・マップ:アジア・日本研究 Webマガジン』Vol.3, MV.3.02(2025年4月22日掲載)
リンク: https://www.ritsumei.ac.jp/research/aji/asia_map_vol03/maldives/timeline/