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2021.09.30

研究会「20年目の9.11を超えて――グローバル社会、イスラーム世界、ポスト・テロ時代を眺望する」が開催されました

 2021年9月11日、同時多発テロから20年を迎えるにあたり、立命館大学アジア・日本研究所、同中東・イスラーム研究センター、日本エネルギー経済研究所の主催で、公開研究会「「20年目の9.11を超えて――グローバル社会、イスラーム世界、ポスト・テロ時代を眺望する」が開催されました。

 当日は保坂修司・日本エネルギー経済研究所理事・同中東研究センター長、山根聡・大阪大学大学院言語文化研究科教授・研究科長、小杉泰・立命館大学アジア・日本研究所所長の3名が、以下の通り研究報告を行いました(敬称略)。

・保坂修司:「9.11事件から20年:アルカイダの残したもの」
・山根聡:「9.11がもたらしたパキスタンの社会変容と南アジア域内関係の流動化」
・小杉泰:「穏健主流派の苦闘とその展望:ウスール(法源学)派を中心に」

 保坂報告は、アラビア語の豊富な原典資料を交えながら、イスラーム過激派をめぐる様々な思想潮流や、9.11からの20年間で起きた過激派の変化、現地諸語に精通した地域研究者養成の必要性などについて論じるものでした。山根報告では、パキスタン・アフガニスタンの地域社会の変容とイスラームの関係、さらにターリバーン政権復活と国際関係の展望といった多岐にわたる論点が紹介されました。小杉報告は、9.11以降のアフガニスタンやイスラーム世界の変容をどう分析するべきかという問題について、イスラーム法源学(イスラーム法解釈の理論と方法論をめぐる学問)からの分析視座を提示し、問題提起を行いました。

 報告終了後には、司会・ディスカッサントの末近浩太・立命館大学大学院国際関係研究科教授をまじえて、政治と宗教の関係をめぐる分析枠組みのあり方について、登壇者の間で意見交換が行われました。100名を超える参加者があり、大変盛況な研究会となりました。

21_09_30
パネル・ディスカッションの様子