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2022.06.17

AJI 学際セミナーを開催しました!文京洙・立命館大学名誉教授「『在日』を考える」

 2022年6月8日(水)15:00~16:30、立命館アジア・日本研究所(AJI)の主催で、文京洙・立命館大学名誉教授による「『在日』を考える:20世紀の在日朝鮮人問題の形成・展開と最新の研究成果」と題した学際セミナーがオンラインで開催されました。

 戦後の在日朝鮮人の歩みや彼らをめぐる課題を概説した本報告では、1950年代以降在日朝鮮人の形成期に焦点を置きながら、現在の状況をも見据えて、最新の研究成果も交えた紹介がなされました。特に、「在日」の形成期以降、米占領期における朝鮮観の持続と変化、解放直後の韓国における民族の論理と住民の理論、国籍問題における朝鮮籍の誕生と持続、日本国籍の喪失など、「在日」をめぐる多様な諸問題が明らかにされると同時に、経済の高度成長期を経てグローバル化の時代に至るまで、多様化・多面化してきた「在日」を規定することの難しさが論じられました。

 質疑応答では、特に若手研究者や在日の当事者から、戦前・戦後の時期を通した「在日」の国籍問題や、グローバル化によって多様化かつ多面化した在日社会のあり方などについて、大変重要なコメントや質問があり、学術的に大変興味深い意見交換が行われる一方、若手研究者にとって貴重なヒントや研究心が鼓舞される言葉があり、「在日」研究者のみならず、より広くディアスポラやエスニック・マイノリティの研究者にも示唆に富む、大変有意義な学際セミナーとなりました。

 なお、アジア・日本研究所では、本セミナーの記録を含むブックレット(AJI Booksシリーズ)の刊行が企画されています(過去のAJI Booksシリーズ一覧はこちら)。

 過去のAJI学際セミナー一覧はこちら

当日の学際セミナーの様子
当日の学際セミナーの様子