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2024.07.18
【刊行情報】Dr.十河和貴が『帝国日本の政党政治構造:二大政党の統合構想と〈護憲三派体制〉』を刊行しました!
Dr.十河和貴(立命館アジア・日本研究機構 専門研究員)が『帝国日本の政党政治構造:二大政党の統合構想と〈護憲三派体制〉』(2024年、吉田書店)を刊行しました。本書は、2021年度に立命館大学に提出された博士論文と、その後の本研究所における研究活動の成果をまとめたものです。
本書は、政党内閣制を排除する方向で成立した明治憲法体制のもとで、実際に確立された政党内閣制がいかなる構造であったのか、そしてそれがなぜ限界を迎えたのかを、非常に多角的な視座から詳細に検証したものです。「護憲三派体制」という新たな枠組みを導入し、立憲政友会と立憲民政党の二大政党によって運用された政党内閣による権力統合という視角から、近代日本政治の全体構造に迫る本書は、注目に値します。
また、政官関係の変容過程を中軸に、これまであまり同一の問題として捉えられることのなかった昭和天皇や宮中の動向、植民地統治および海外拓殖政策の視点を折りまぜることで、「帝国日本」の視座から政党内閣制の変容過程を明らかにしている点は、本書の大きな特色となっています。そのため、戦後日本政治史や日本植民地史、国際関係史への波及が期待されます。
目次等書誌情報は、こちらをご参照ください
同書は、立命館大学人文学会博士論文出版助成金制度の助成を受けて出版されました。
現在、Dr.十河は科研費・若手研究で次の研究課題として、「近代日本の政党政治と対外政策の構造的矛盾:国際協調と帝国政治の相克をめぐって」という内容の研究を行っています。
著者のDr.十河和貴(左)と書影