NEWS

2019.11.14

「中東・イスラーム研究センター」設置記念講演会、衣笠キャンパスで開催

2019年11月4日に衣笠キャンパスで、去る10月1日に創設された「中東・イスラーム研究センター」の設置を記念する講演会が、「新時代の中東・イスラーム研究を拓く:国際研究教育拠点設置の意義と抱負」と題して開催されました。

司会は池端蕗子プロジェクト研究員(衣笠総合研究機構、学振PD)が務め、最初に、センター長の末近浩太教授(国際関係学部)が登壇しました。末近センター長は、センターの設立の経緯を紹介し、教育・研究・社会還元を軸として、日本の中東・イスラーム研究を牽引するようなセンターをめざすことを表明しました。

ikehara
開会を宣する司会の池端研究員
uechika
趣旨説明をする末近センター長

次に最初の講師として、小杉泰・本研究所長が「研究という人生の喜び:中東・イスラーム研究の沃野から」と題して、人生100年・生涯学習の時代に知を探求し続けることの意義を語り、特に学部生の皆さんに向かっては「このセンターが設立されたということは、立命館大学で、中東・イスラームという分野に関して学部、大学院、ポスドクから専門の研究者に至るシームレスな道筋ができたということ」と、その意義を力説しました。

Kosugi
「シームレスな研究者育成」を語る小杉所長

二番目の講師の鳥山純子准教授(国際関係学部)は、「外からの中東、中からの中東:中東ジェンダー学のススメ」と題して、ご自身のエジプトへの留学と家族生活の体験を非常にヴィヴィッドに語り、どのパースペクティヴから見るのかという各自の視点の重要性を問いかけました。一人一人が自分の「中東認識」を持ってよいし、持てばよいという熱い語りは、大きなホール全体を熱くしました。

Toriyama
ヴィヴィッドな語りで会場を沸かせる鳥山准教授

三番目の講師として、末近センター長が再登壇し、「『中東・イスラーム研究』とは何か:地域研究からの新たな挑戦」と題して、このセンターがいったい何をめざすのかを、中東政治を事例に語りました。社会科学が「なぜ」を探究するのに対して、人文科学は「何」を探究するものであり、その両者を合わせてこそ、現地の実態に迫りうるのだという語りが、聴衆の心に迫りました。

Suechika2
新時代を拓く研究を語る末近センター長

最後に、3人の講師をパネリストにして質疑応答がおこなわれ、フロアからいくつもの質問が出されました。いずれの質問も、新しいセンターがどんな面白いことをもたらしてくれるのかという期待と、自分たちも可能な限り参加したいという意欲に満ちたものでした。中には、遠くの他大学からの参加者もいて、「このセンターは日本中に開かれているのです」という回答に、おおいに頷いていました。

学部生、院生、教員、一般市民の方など、200人に及ぶ聴衆の皆さまと、新しいセンターの門出を共有する有意義な講演会となりました。