NEWS

2022.02.07

グローバル多言語フォーラムMeridian180「東アジアにおけるパンデミック下のジェンダー変容」(第1回)が開催されました

  2022年1月28日(金)、グローバル多言語フォーラムMeridian180「東アジアにおけるパンデミック下のジェンダー変容」の第1セッション「社会運動の現場から:パンデミック下の変化と新しい挑戦」が開催されました。日本、中国、香港、台湾、韓国から以下の5名のスピーカー(敬称略)が報告を行いました。

・洪惠芬(Awakening Foundation理事・東呉大学教授、台湾)
・馮媛(Beijing Equality and Weiping Helpline for Women共同創設者、中国)
・吴京珍(韓国女性団体連合会コーディネーター、韓国)
・Jay Em Cardona(アジア家事労働者組合香港連盟、香港)
・本山央子(立命館大学、アジア女性資料センター代表、日本)

 本セッションは、立命館大学大阪いばらきキャンパスを拠点として、日・英・中・韓による同時通訳付きのZoomウェビナーにて行われました。

 東アジアは他地域に比べ犠牲が比較的少なく、対応に成功しているとみなされています。しかしパネリストたちはフェミニスト視点から、「科学技術・経済・国家を中心とするパンデミック対策は誰を優先し、誰の権利を犠牲にしているのか、誰の知識や発言により高い価値がおかれているのか?」という問いを投げかけました。女性たちの関心やニーズを反映しない政策決定は、多大な社会的コストを、女性や移民など周辺化された人々に押しつける結果を招いています。

 とりわけ、ケアや世帯内労働を女性の自然な役割とみなす性別役割分業は、パンデミック下で女性の脆弱性をもたらすことになりました。他方で、ケアや家事労働はいっそう市場化され、移民などによって担われるようになっています。パンデミック下で移住家事労働者が著しく困難な状況に置かれていること、市民活動の空間が狭められていることも、重大な挑戦として議論になりました。

 このような困難の中でより公平な社会に向けた変化を起こしていくためにも、東アジア地域内における連帯と協力は不可欠であり、参加者たちは多言語による交流の場への期待を語りました。


220207
当日の参加者の様子