NEWS

2022.05.18

渡邊駿先生(日本エネルギー経済研究所中東研究センター研究員)の現代アラブ君主制政治に関する単著が刊行されました!

渡邊駿先生

 渡邊駿先生(日本エネルギー経済研究所中東研究センター研究員)が、博士論文をもとに、その後に発展させた研究をも含めて、単著を刊行しました(ナカニシヤ出版)。

 君主制という政治体制は20世紀以降、世界から続々と姿を消してきましたが、アラブ世界には8ヶ国もの君主制が残っており、強い統治権限を持った君主が君臨しています。近代化が進むこの時代に、政治的に不安定なアラブ世界において、君主制はどのように体制を保持しているのでしょうか。そこではどのような統治が行われているのでしょうか。

 本書は、アラブ君主制の一つ、ヨルダン・ハーシム王国における統治のあり方に焦点を当て、この問いを検討しています。ヨルダンは石油資源に恵まれず、経済的な制約を抱えた上、不安定な地域情勢に左右されながら、今日まで体制を保ってきました。このように一見脆弱に見えるヨルダン君主制が体制を保ってきた過程について、支配構造、立法過程、中央地方関係を含む様々な視点から論じています。

 この出版は、日本学術振興会の出版助成を受けました。

 現在、渡邊先生は、日本エネルギー経済研究所中東研究センターにて、ヨルダンに加え、周辺アラブ諸国、およびオマーン・クウェートといった湾岸の君主制の政治・外交に関する情勢分析や、ジハード主義組織の動向分析に取り組んでいるほか、科研費・若手研究で、次の課題として「現代君主制における制度的社会エリート統制:モロッコ・ヨルダンの比較事例研究」プロジェクトを推進しています。

渡邊先生には以前、アジア・日本研究所の客員研究員をお務めいただいた他、現在も様々なプロジェクトにご参加いただいています。
本書のブックローンチが開催されます(2022年5月25日)。詳細は、こちら