研究プロジェクト紹介

共生領域

「アジア芸術学」の創成

プロジェクトリーダー
文学部

西林 孝浩 教授

Nishimura

プロジェクト紹介

 本プロジェクトは、立命館大学アート・リサーチセンター(ARC)および国際言語文化研究所で実践してきた2つの萌芽的な研究プロジェクトを継承・発展させ、日本を含むアジアにおける多様な芸術文化とそれをとりまく社会を対象として、海外の研究機関と連携をはかりながら、美学・美術史学・演劇学といった狭義の芸術諸学のみならず、文学・版本書誌学・歴史学・比較文化史・人文地理学・情報人文学といった、多様な学問分野を導入した学際的・包括的な立場から、「アジア芸術学」の創成を目指すものです。

 過去から現在の芸術文化の正確な記録(アーカイブ化)や復元、伝統芸術や伝統技術の現代における継承・変容・融合・拡散・消滅といった実態の把握、西洋化・グローバル化にともなう芸術に対する意識や社会のあり方との関連性の検証といった作業を進めるにあたり、(1)前近代のアジア宗教芸術における規範形成とその変容、(2)前近代の日本・アジアにおける出版文化・技法および出版物の移動、(3)アジア・日本における舞台芸術と社会の位相、(4)欧米との連関から見る近現代の日本・アジアのメディア表象、の4部門を設置し、アジアにおける芸術のありようについて、総合的に明らかにします。

 このプロジェクトでは、かかる研究実践を統合するプラットフォームを形成し、これを基盤として、研究者や院生が、そのプラットフォーム上を、自由自在に往来し、なおかつアジアの芸術とそのアーカイブ化に関わる国際研究ハブ機関としての役割を、より強化してゆく中で、俯瞰的視野に立ったアジア芸術学の視座格律、文化財知識とアーカイブ技術を駆使した教材の研究、多様なアーカイブ活用等による新しい美術館・博物館展示企画の開発を行います。

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