研究プロジェクト紹介

和解領域

アジアにおける現地主導の災害管理と人道支援

プロジェクトリーダー
グローバル教養学部

廣野 美和 准教授

プロジェクト紹介

 本プロジェクトは、アジアの災害頻発地域における現地主導の災害対策のあり方を分析すること、災害対策を行う人々の能力育成のための教材を作成すること、グローバルな災害対策議論に対して政策提言を行うことを目的としています。

 これまで国際機関やDAC の加盟国等の援助者が行ってきたアジアの災害への取り組みは、3つの限界を有していると考えられます。

 第1に、災害対策への取り組みが援助する側の経験を基本としているため、アジアの文化・伝統に根ざした現地主導の災害対策を軽視する結果となり、援助者と被援助者としてのアジア諸国間で不和・不信が生じています。第2に、育成するべき「人材」の抽出において、国際機関にとって見えやすい団体・個人が主な対象となってきており、見えにくい現地の団体・個人はほとんど対象になってきませんでした。第3に、このような2つの限界を克服するため、2015 年の「仙台防災枠組 2015-2030」や 2016 年世界人道サミットで採択された「グランドバーゲン」等において、災害対策の「現地化(Localization)」が提唱されましたが、その定義はまだ不明瞭で、「現地化」政策の具体化の目処は立っていません。

 これらの問題を大胆に解決する方途を、本プロジェクトは追究していきます。

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