研究プロジェクト紹介

和解領域

アジアの核危機と安全保障:北朝鮮・イラン・南アジア(印パ)の比較研究

プロジェクトリーダー
国際関係学部

中戸 祐夫 教授

Nakato

プロジェクト紹介

 本プロジェクトは、朝鮮半島核危機、イラン核危機、印パ核危機という3つの地域における核危機について地域横断的に研究し比較することで、①核危機における地域的特性を明らかにし、②核危機発生の共通メカニズムを見出すものです。

 このプロジェクトでは、以下4点を研究期間終了までに明らかにすることを目標としています。①地域研究に基づくミクロ的視点(地域研究アプローチ)から、各核危機(北朝鮮、イラン、印パ)における核軍拡の現状と抑止関係について把握すること、②地域研究アプローチを用いて、各核危機における固有の要因(差異点)および共通する要因を明確にすること、③地域研究アプローチによって明らかとなった共通点と差異点を踏まえ、国際関係理論に基づくマクロ的視点(国際関係アプローチ)を用い、核危機のモデリングを、抑止理論およびスパイラル理論に照らし合わせて行こと、④上記研究成果を踏まえ、日本の安全保障への影響を明らかにし、その戦略的選択肢を提示することです。

 また、本プロジェクトは、SDGsにおける「平和と公正をすべての人に」という課題の達成に寄与しうるものです。核危機は、交戦国間で相互に世界を破滅に導きかねない核兵器の戦時使用(例えば、戦時において広島に投下されたウラン型原発1発のみで、これまで延べ約30万人が亡くなった)が想定される、核戦争へのエスカレーション・リスクを包含するものです。本プロジェクトは、異なる地域で生じている3つの核危機の比較分析し、核危機のモデリングを試みることで、持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築するに貢献するものです。

 最後に、本プロジェクトは3つの地域における核危機の研究を国内外の第一人者である研究者による研究プロジェクトである点、また現在、北朝鮮とイランというテーマは、その核兵器高度化に伴って、マスメディアにおける注目度が高まっているために、過去の研究発信実績を鑑みても、本研究プロジェクトでの研究成果を国内外で随時、効果的に発信できるという特徴を有しています。

研究プロジェクト紹介へ戻る