1988(昭和63)年4月8日、立命館中学校・高等学校が男女共学となって初めて女子生徒を迎えての入学式が行われました。夏に深草学舎移転を控えて北大路学舎最後となるこの入学式は、歴史的改革への第一歩となる日でした(北大路学舎跡地は現在の立命館小学校)。
それまでの中村和歳校長に代わって大学から馬原鉄男校長を迎え、午前10時から高等学校の、午後1時から中学校の入学式がそれぞれ執り行われました。学校移転に向け生徒の増員が決定していたため(注1)、中学生は女子66名を含めて228名(前年が男子178名)、高校生は女子67名を含めて367名(前年が男子261名)でした。特に、中学校では女子の入学を機に、詰襟の学生服からブレザー型となり、ネクタイを締めた制服姿(服装指導でも生徒の自主性を育てることを目指して上下完全制服ではなかった)で、その表情は希望と緊張感がいっぱいでした。2,3年生は詰襟の学生服であったので、上級生から下級生を見る目は男女共学とあわせて特別であったようです。
この中学校の新入生のなかからは、現在、立命館の附属校で活躍する教職員が何人も誕生しています。
北大路学舎における女子生徒の入学は、この年が最初ではありませんでした。1948(昭和23)年設立の立命館夜間高等学校(注2)とその後の立命館高等学校定時制(注3)には女子生徒が在籍していました。1950(昭和25)年9月に夜間高等学校の補欠募集を初めて男女共学で実施し、3名の女子が合格入学したと記録に残っています(注4)。
30年後の2018年の入学式は4月7日に挙行されます。新入生は中学校240名(うち女子115名)、高等学校333名(うち女子176名)です。今では中学校高等学校共に女子生徒の割合が50%を超えています。
2018年4月4日 立命館 史資料センター 調査研究員 西田俊博
注1;中学校が4から5クラス、高等学校が6から8クラスに増やされた。北大路学舎には急遽、特別教室を普通教室に改装し、簡易な女子更衣室も増設された。
注2;1952年3月廃止
注3;夜間高校の廃止に伴い、1952年4月に設立し1966年3月廃校
注4;立命館タイムス(立命館高校新聞局発行)第15号(1950年10月13日発行)記事
「本校の同僚である立命館夜間高等学校が本年9月の補欠募集に「女人禁制」の伝統を破って男女共学を実施した際、勇カンなる女子三名が見事試験を突破して入学し、毎日北大路学舎に通学されている。参考までに失礼ながらお年を伝えると三氏とも芳キまさに三十余才。諸君よ失望するなかれ。」