史資料センター開設に向けて、「モノ資料」の写真撮影を順次進めています。
撮影した写真はテーマごとにファイルでカタログ化するなどし、学内からの問合せ等、利活用の依頼があった際に、ひと目見て、その資料がどのような内容のものであるのかや、大きさや形状など資料の概要を把握していただけるよう、できるだけわかりやすいファイル・カタログづくりに努めています。
「モノ資料」といっても、史資料センターに保管されている資料には多種多様なものがあり、写真撮影や撮影後の保存も一様には進めることができません。資料に応じて保存方法を考えながら整理を進めています。今回はその一例として、「帽章」「徽章」など金小物類の保存について紹介します。
以前に「学園史資料から」のコーナーで、展示の紹介として「立命館デザインのバッジ」のいくつかを取り上げて掲載しました。
https://www.ritsumei.ac.jp/archives/column/article.html/?id=53
それらはこれまで主に校友(卒業生)の方から寄せられた帽章、襟章、その他の徽章などですが、一つひとつを見てみると、帽章ひとつをとってみても「立命」の下地の上に「大学」(注:「学」の字は旧字体)と入ったものや、「専門」と入ったもの(ご寄贈者の在学年から専門学部のものと判明)、「中学」と入ったもの、「高商」(高等商業)と入ったものなど、学校ごとに作られていたことがわかります。
また、高等商業学校のピンバッジであれば「そろばん」がデザインされていたり、中高のクラス(「A」「B」「C」など)を示すピンバッジや、「立命」の下地に「週番」と入ったものがあったりと、非常に多彩で、学生生活が想像されるようです。
他にも、運動会の記念のバッジや、校友会やクラブ・サークルで折々の記念に作成されたと思われるネクタイピンやバックル、ライターなど様々な金小物類があります。それらはすべて、立命館に通っていた学生・生徒が実際に身につけていたり、記念とされたものであったりと、当時の学生生活を物語る貴重な資料として、後世に残していく必要があるものです。
史資料センターでは、それらの金小物類の写真撮影後、小さな引出し式のプラスチックのケースで保存することにしました。個別の引出しの中にガーゼを敷き、およその種類ごとに資料を分類して入れ、乾燥剤(シリカゲル)を入れて保存していきます。引出しの一つひとつはこのような感じになります。
問合せ等があった際に備え、どこに何があるのかがわかりやすく整理されていくと思われます。
これらの資料が展示などで多くの方の目にふれ、学生生活を思い出していただいたり、学園アイデンティティを感じていただいたりする資料になればと思います。
なお、史資料センターでは今後も引き続き、これらの資料収集に取り組んでいきますので、資料や資料に関する情報をお持ちの方、ご協力いただける方がいらっしゃいましたら、情報をお寄せいただけると幸いです。