第Ⅰ章

これまでの全学協議会
における議論経過と
2022年度全学協議会の位置づけ

全学協議会とは

全学協議会は、⽴命館⼤学における「学びのコミュニティ」を構成する学生、院生、教職員および⼤学が、教育・研究、学⽣⽣活の諸条件の改⾰・改善に主体的に関わり、協議するために1948年に設置された協議機関です。全学協議会は、学⽣の⾃治組織である学友会、院⽣の⾃治組織である院⽣協議会連合会(以下、院⽣協議会)、教職員組合、⼤学(学部⻑が理事として参加する常任理事会)の4つのパートと、学生生活の福利厚生面を担う⽴命館⽣活協同組合(オブザーバー)で構成されており、⼤学を構成するすべての構成員が⾃治に参加する「全構成員⾃治」の考えをふまえています。

2022年度全学協議会の位置づけ

⽴命館⼤学は、2010年度に学園の中期計画であるR2020を策定し、2020年度のあるべき姿をめざし、教育・研究および学生生活のさらなる向上に取り組んできました。この2010年度以降、公開での全学協議会は、2011・2016・2018・2019年度に開催されました。これらの全学協議会では、学⽣の主体性・能動性を育む「学びと成⻑」を軸とした議論が展開されました。特に、学友会や院⽣協議会との協議のなかで出された指摘や課題を大学は真摯に受け⽌め、R2020の取り組みとして改善を進めてきました。また、2018年度には学園ビジョンR2030を策定、その後2020年度には新型コロナウイルス禍に直⾯するなかで、⼤学、教育、研究のあり⽅そのものをより根源的に問い直す視点から、2021年度以降の10年間の中期計画であるR2030チャレンジ・デザインを策定しました。

2022年度10月に開催される公開での全学協議会では、これまでの取り組みの到達点と課題についての総括をふまえ、2023年度以降の⽴命館⼤学における教育・研究および学⽣⽣活⽀援の今後の⽅向性を、学⽣・院⽣・教職員の各パートと⼤学とが協議したうえで確認することが求められます。その協議に至るまでの前提として、この間の取り組みの到達点および課題についてふまえる必要があります。その内容としては、①2011〜2020年度にR2020のもとで進められてきた諸政策を評価し、②R2020からR2030への移⾏期に、⼤学での学びのあり⽅に転換を迫った新型コロナウイルス禍での学びの取り組みについて振り返ること、になります。また、この新型コロナウイルス禍における学びの継続のための取り組みは、学びを継続し続けるための「緊急避難」的な対応と、将来の新たな展開に繋がる対応とがあり、切り分けて捉える必要があります。これらは、2020年度および2021年度に開催された全学協議会代表者会議でも議論がされています。改めてこの議論のなかで取り上げられた諸論点については、R2020の到達点と課題、およびR2030への取り組みの⽂脈のなかで振り返り、その位置づけを確認する必要があると大学は理解しています。

また、「今後の⽅向性」については、R2030チャレンジ・デザインの具体化と実現を⾒据え、今後さらなる議論が必要となります。

本⽂書は、この間の議論経過をふまえ、特にR2020の取り組み、および新型コロナウイルス禍での取り組みの両者の到達点と課題を明らかにし、R2030チャレンジ・デザインの具現化に向けた⽅向性を⽰すことで、2022年度の公開での全学協議会に向けた議論を提起するものです。

2022年度全学協議会に向けたスケジュール

2022年度全学協議会に向けたスケジュール
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