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2025.06.23


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ゲスト講義実施報告「ヘイトと闘う」(弁護士 上瀧浩子様)
「専門演習(ゼミ)」(担当教員:山口 智美クラス)では、日本社会・文化に関する多様な課題を取り上げています。本ゼミ初めてのゲストスピーカーとして、京都弁護士会所属の上瀧浩子弁護士をお招きし、「ヘイトと闘う」と題するご講義をいただきました。
講義ではまず、上瀧先生がこれまで弁護士として関わってこられた「京都朝鮮学校襲撃事件」「徳島県教職員組合襲撃事件」「李信恵氏複合差別事件」などの事件について、その経緯についてお話しいただきました。
そして、これらの事件において、具体的にどのようなヘイト攻撃が行われたのか、また裁判闘争にどのような社会的意義があったのかについて詳しい解説がありました。
特に上瀧先生が強調されたのは、レイシズムとセクシズムの交錯という問題であり、在日女性をはじめとするマイノリティ女性がヘイトの標的とされやすい構造についてです。また、ヘイトに対する抗議行動であるカウンター運動の経緯やその意義についても解説がありました。
「ウトロ放火事件」や「コリア国際学園放火事件」など、近年の深刻なヘイトクライムについて、さらには選挙を利用したヘイトスピーチやSNS上での差別的言動の広がりや、現在広がっている「日本人ファースト」といった排外主義的言説の問題への言及もありました。
学生たちにとっては、京都朝鮮学校襲撃事件やウトロ放火事件のような近隣の地域で起きた出来事であっても、今回初めて知る内容も多かったという声が多く聞かれました。マイノリティへのヘイトに対する闘いについて学び、考えることができた貴重な機会となりました。排外主義が強まる現在の日本において、レイシズムやセクシズムをめぐる歴史や現状について学び、差別に反対していくことの重要性を再認識することができました。
2025.06.20


大学のキャリア教育はこれまで「良い会社」に多数の学生を就職させることを第一目標として設計されていたので、ゲスト講師の方々には、学生時代の就職活動の振り返りや、入社後の仕事の魅力などについて話してもらうことを中心としてきましたが、多くの若者が就職後に短期間で転職に踏み切ることが「当たり前」となった現在、学生が就職後の転職まで見据えて人生設計できる力を養成することが重要になっています。
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ゲスト講義実施報告(UUUM株式会社 Lee PUI YIU様)
「プロフェッショナル・ワークショップ(メディア)」(担当教員:白戸 圭一先生)の授業にてUUUM株式会社 Lee PUI YIU様をお招きし、講義をしていただきました。
香港出身のLeeさんは2023年3月の本学卒業後、ユーチューバーのマネジメント企業であるUUUm社に就職し、海外企業等に対してユーチューブ番組に広告を出すよう売り込む業務等を担当してきました。
学生たちと歳の近い社会人であることから、在学時の就職活動の経緯や現在の日常についてパワーポイントを使った説明は、受講生の学生たちに強い関心を引きました。また、ユーチューバーの人々との間でどのような仕事が行われるかについての話は、テレビよりもユーチューブを視聴しながら日々を暮らしている現在の学生たちには殊更に興味深いものであり、受講生たちは身を乗り出してLeeさんの話を聞いていました。
大学のキャリア教育はこれまで「良い会社」に多数の学生を就職させることを第一目標として設計されていたので、ゲスト講師の方々には、学生時代の就職活動の振り返りや、入社後の仕事の魅力などについて話してもらうことを中心としてきましたが、多くの若者が就職後に短期間で転職に踏み切ることが「当たり前」となった現在、学生が就職後の転職まで見据えて人生設計できる力を養成することが重要になっています。
そこで、今回の授業では、実験的試みとして、講師に退職・転職についての経験も話していただきました。
2025.06.20


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ゲスト講義実施報告「国際犯罪と警察の国際協力」(元警察庁:世取山 茂様)
「プロフェッショナル・ワークショップ」(担当教員:石川 幸子)にて、「国際犯罪と警察の国際協力」について、元警察庁で国際犯罪業務及び国際協力に携わってこられた、世取山茂氏をお招きし、講義を依頼した。
まず、恒例の質問として、警視庁と警察庁の違いについて学生たちに尋ねた。今回は完璧に両者の違いを説明できる学生がいたことに世取山氏も驚いた様子であった。
「警視庁」は、東京都の警察業務を行う一方で、「警察庁」は国の機関であり、国家公務員となる。警察庁による国際業務は、外国捜査機関との連絡・調整・交渉と、国際協力の2分野に分類されるとのこと。世取山氏からは、自らが関与した国際業務について具体的かつ丁寧に説明があったので、普段、報道だけでは分からない細部の情報と共に、警察がどのように動くのかについても理解が促進した講義であった。
外国捜査機関との連絡・調整・交渉の分野では、リビア政府によるパンアメリカン航空103便爆破事件について触れ、日本人も同乗していたことから国際共助要請を出したという話から、天皇在位60周年記念金貨偽造事件についても、各国の調査機関との連携を行った。
それに続き、フィリピン航空434便爆破事件、拳銃密輸入事件、インターポールと協力して行ったオペレーション・パンゲア(模造・違法医薬品の取り締まり)、並びに覚醒剤密輸入事件など、多くの事例が紹介された。
国際協力の分野では、東チモールでの国連PKO(UNMIT)に参加した際には、助言・指導・監視が業務であったため(日本のみがこのような特殊なマンデートを有しているとのこと)、PKOのトップや東チモール政府関係者への助言が主な業務であったとのこと。
政府開発援助でフィリピン国家警察犯罪対応能力向上プログラムでは、指紋による調査技術の向上等について携わってきたとの説明があった。
授業内ではグループディスカッションも行い、トピックは「日本の警察の国際協力の特徴は何か?(優れた展、及び改善すべき点は何か?)。日本に求められている国際協力とはどのようなものであるか?」であった。
学生からは、何故、キャリアとして警察庁を選んだのか?というプライベートな質問から、国外犯の処罰について、サイバー攻撃への対応など、数多くの質問が出され、1つ1つ丁寧に対応いただいた。
2025.06.20

まず、国連の基礎的な内容についてクイズ形式の質問があり、授業のアイスブレイクとなった。また、UNHCRと国連人権高等弁務官(UNHHR)の2名のみが使用を許されている“高等弁務官”は、緊急時などに独自に決断を下すことが出来るという特殊な地位にあることが説明された。

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ゲスト講義実施報告「UNHCRの活動:現場の事例を中心に」(元UNHCR 中央アジア地域事務所所長:織田 靖子様)
「国際連合入門」(担当教員:石川幸子)にて、2年前に国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)を早期退職された織田靖子さんをゲスト講師にお迎えして、「UNHCRの活動:現場の事例を中心に」というタイトルで講義を行って頂いた。
UNHCRの必要予算は年間106億ドルであるが、これは「この金額まで集めて良い」という意味であり、実際に各国の拠出金で集まるのは、毎年その半分程度であり、慢性的な予算不足の中で業務を行っているとのこと。実際に、2024年には45%しか集まらなかった。
最大のドナー国であった米国が国際協力予算を大幅に削減している現在、今後の見通しは暗いとの説明があった。UNHCRが保護の対象とするのは、庇護申請者、難民、無国籍者、国内避難民、並びに自主帰還で自国に戻った人たちであり、現在その数は、1億2000万人に迫っている。パレスチナ難民の救援活動には国連パレスチナ難民救済機関(UNRWA)が当たっており、活動地域は、ヨルダン、レバノン、シリア、ガザ、ヨルダン川西岸に限定されている。職員数2万8000人の内、99%はパレスチナ人である。
奇しくも6月20日は世界難民の日となっている。現在、多くの難民を輩出している国は、ベネズエラ、シリア、パレスチナ、アフガニスタン、ウクライナの順である。2024年12月にアサド政権が崩壊したシリアでは、復興の時期になったが、国連には支援する予算がないのが現状であるとのこと。
講義の最後には、織田さんが実際に勤務されていた南スーダンやウガンダの写真を見せながら、臨場感あふれた話が展開された。南スーダンの洪水発生時には、難民のみならず、現地の村人たちも含めた支援を行ったとのこと。また、新型コロナ肺炎が蔓延していた当時、ウガンダの奥地の村までWHOのワクチンが届けられ、国際機関の存在意義を再認識したとの話があった。
2025.06.20


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ゲスト講義実施報告(NEC株式会社:水間ゆり様)
「プロフェッショナル・ワークショップ」(担当教員:星野 郁先生)の授業にてNEC株式会社の水間ゆり様をお招きし、講義をしていただきました。今回ゲスト講師にお呼びした水間ゆり氏は、2022年9月に国際関係学部を卒業し、現在NECの通信部門に所属・勤務しています。
当日は、まず受講生によって、日本の総合電機メーカー業界の状況、NECの概要、NTTや富士通などライバル企業との経営比較に関する報告が行われました。
続いて、水間様の自己紹介に始まり、現在のNECでのお仕事の内容、就活への取り組み、NECを就職先に選んだ理由、後輩への助言等について話されました。
自己紹介では、立命館大学での学びや課外会活動(ボランティア・サークル)および、叶わなかったロシアへの留学等について語られました。次に、NECの会社概要と現在の業務の説明に移り、NECの経営の中心が、既にモノづくりから、IT・通信分野、防衛・宇宙へシフトし、ご自身はNTT西日本向けの通信機器の納入業務を担当されていることや、現在開催中の大阪万博に出展していて、毎週通われていることなどを話されました。
ご自身の就活については、ロシアへの留学をコロナ禍によって断念せざるを得ない中での就活で、必ずしも十分な準備ができない中で、幅広く業界研究もできなかったが、社風や業務内容、面接時の応対等で最終的に決められたとのことでした。また、十分に就活できなかったご自身の体験を踏まえて、受講生にはなるべく早めに業界・企業研究を始めることを勧められました。
受講生からは活発な質問が出され、企業の社風、社員の雰囲気を知るにはどうしたら良いのか、ワーク&ライフ・バランスは取れているか、1日の勤務スケジュール、セクハラなどハラスメントはないのかといった質問が寄せられました。
最後に個別の相談の機会が設けられ、盛況のうちに講演は終了しました。
2025.06.18


中須さんは、学生時代から現在に至る時間を振り返りながら、アフリカを相手に仕事することの魅力や起業の体験などについて学生たちに熱く語りました。

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ゲスト講義実施報告((株)AFRICA DOGS 代表取締役社長:中須 俊治様)
アフリカ研究A」(担当教員:白戸 圭一先生)の授業にて、(株)AFRICA DOGS 代表取締役社長:中須 俊治様に講演していただきました。
中須さんは滋賀大学在学中に大手企業への就職が内定していたにもかかわらず、大学を休学し、インターネット上で見つけた西アフリカのトーゴ共和国におけるラジオDJ募集の情報に興味を抱き、トーゴへ渡航して半年間、ラジオ局で働く体験をされました。
復学して卒業後、京都信用金庫で働き始めましたが、アフリカに関する仕事をやりたい思いをあきらめきれず、28歳の時に退職。2018年にAFRICA DOGSを創業しました。
同社は、中須さんが学生時代に半年間滞在したアフリカのトーゴを舞台とする複数のビジネスを手掛けてこれれました。主なビジネスは、トーゴの村で織られた布を買い付け、京都の染色業者の手で染め上げ、洋服を仕立てて販売すること。これ以外にも、様々なアフリカ布の輸入販売や、トーゴでの暮らしを経験したい日本の若者向けのスタディーツアーの斡旋などを手掛けてこられました。
復学して卒業後、京都信用金庫で働き始めましたが、アフリカに関する仕事をやりたい思いをあきらめきれず、28歳の時に退職。2018年にAFRICA DOGSを創業しました。
同社は、中須さんが学生時代に半年間滞在したアフリカのトーゴを舞台とする複数のビジネスを手掛けてこれれました。主なビジネスは、トーゴの村で織られた布を買い付け、京都の染色業者の手で染め上げ、洋服を仕立てて販売すること。これ以外にも、様々なアフリカ布の輸入販売や、トーゴでの暮らしを経験したい日本の若者向けのスタディーツアーの斡旋などを手掛けてこられました。
トーゴ出張中の2023年8月、交通事故に遭い、瀕死の重傷を負うものの、奇跡的な回復を果たし、近く2年ぶりのトーゴ出張を計画されています。
中須さんは、学生時代から現在に至る時間を振り返りながら、アフリカを相手に仕事することの魅力や起業の体験などについて学生たちに熱く語りました。
「やりたいことがあったら迷わず挑戦するしかない。挑戦しないで後悔するよりも、挑戦して後悔した方が良い」という中須さんに言葉は学生たちを魅了し、授業終了後も中須さんとの会話を求める学生の長い列ができていました。
2025.06.18


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ゲスト講義実施報告(元JICA 笠原 伯生様)
「専門演習」(担当教員:嶋田晴行先生)の授業にて、元JICAの笠原 伯生様をオンラインでお招きし、お話いただいた。笠原氏はおよそ25年間に渡り、保健分野の国際協力に従事してきた。所属も国際機関、JICA、NGOと多岐に渡り、特にアフガニスタンの滞在経験は15年にわたる。
講義では、自身のキャリア形成の歴史を大学卒業後の一般企業への就職から現在まで紹介するところから始まり、本年2月まで勤務していたアメリカ系のNGOがトランプ政権による開発援助削減の方針により実質的に解散となり、自身も職を失った経験が現実感を持って語られた。
その後の質疑応答では、国際協力分野で働くことの喜びと困難、キャリア形成の方向性、海外勤務に不可欠な家族など周囲の理解などについて質問が出され、笠原氏は丁寧に回答をいただいた。
国際協力分野への就職は容易ではないことは確かであるが、笠原氏のお話と激励でそれを目指すことの意義を受講生は理解できたと考える。
国際協力分野への就職は容易ではないことは確かであるが、笠原氏のお話と激励でそれを目指すことの意義を受講生は理解できたと考える。
2025.06.13



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ゲスト講義実施報告(国連広報センター所長 根本かおる様)
「国際連合入門」(担当教員:石川 幸子)の授業にて、国連広報センター所長の根本かおるさんを講師としてお招きし、国連の理念から持続可能な開発目標(SDGs)に至るまで、国連の大局から幅広い分野をカバーするご講演をいただいた。
ゲスト講師としてお招きする講師の大半は、各国際機関の業務内容を中心に講演を行う中、国連の存在意義について学生に考えさせる講義は、創設から80年となる現在の国連の状況に鑑みて大変タイムリーかつ貴重なものであった。
まず、講演の冒頭で、根本さんは学生たちに「国連と聞いて何を思うか」と問い、国連憲章の前文を取り上げたビデオを見せた。国連は、平和と安全保障、人権と人道支援、並びに持続可能な開発という3つの大きなテーマを抱えており、「国連が機能していないと言うときは、国連のどの部分が機能していないのかを考えるべき」と学生たちを諭した。
次に、ご自身が大学卒業後にどのような経緯でUNHCRに就職することになったかについて、ジョークを交えながら語り、「当たって砕けろ、失うものはない。」との根本鉄則なるものを学生たちに伝授し、鼓舞した。国連で勤務するために重要なコミュニケーションについては、「3つのW」(What, Why Care, and What now)の重要性を説いた。
SDGsについては、MDGsの後継として、MDGsで達成されなかった部分(特に途上国がG20 の国々の発展の陰で影響を受けて来た気候変動など)に焦点を当てるのみならず、2030までにどのような世界を作り出したいのかを考えるバックキャスティング方式で意欲的な17のゴールを創設した。SDGsの特徴は、普遍性(途上国のみならず先進国も努力すべし)、統合性(経済、環境、社会)、並びに包摂性(誰一人取り残さない)という3点にある。女子教育の重要性については、国連総会で行われた「マララ演説」の動画を見せながら、若者たちが将来を見据えて行動を起こすことの重要性を説いた。
また、SDGsの促進には、「脱タコつぼ化」が重要であり、多様な社会の担い手を意識して繋いでいくことに腐心してきたとのご自身の経験についても触れられた。現在、トランプ政権下で国際協力予算が大幅に削られていく中、国連は、ゲームチェンジャーになりうるものに特化して資金を投下することを推奨している。人類の未来は、今後10年の私たちの行動で決まるとの言葉で講演を締めくくった。
学生たちからは、安保理改革、ジェンダー平等などについて質問が出され、2024年の未来サミット以降、積極的に国連改革を進める機運が高まっているとのお話があった。
2025.06.11

講義ではSAAがアフリカのマリ、ナイジェリア、エチオピア、ウガンダの4か国で実施している農民支援の内容について、映像を用いながら紹介。現地の実情に即した技術移転や営農支援によって農作物の収穫量を向上させ、農家が手にする収益を増やすさまざまな取り組みについて詳しく解説いただきました。

こうしたお話は、学生たちが卒業後のキャリアについて考える際に極めて有益な参考情報であり、授業では多くの学生が質問を発していました。
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ゲスト講義実施報告(ササカワアフリカ財団 総務課長 徳末 明子様)
「アフリカ研究A」(担当教員:白戸 圭一先生)の授業にて、アフリカの農業開発を支援する国際NGO「ササカワアフリカ財団(SAA)」総務課長の徳末明子氏に登壇いただき、SAAの活動内容の報告やアフリカ農業、自身に国際NGO職員になるまでの自身のキャリア形成についても講演していただきました。
また、徳末氏は、2010年から2013年にかけてエチオピアに駐在し、農業協同組合の活動を支援することを通して農村の女性たちをエンパワーメント下体験について、写真付きの資料を使いながら説明しました。
男性中心の社会構造の中で、女性が自らの活動に自信を深めながら貧困を克服していったプロセスについて、徳末氏は「3年間の活動が終わる最後には、ある女性が『私はもはや貧しさを恐れない。なぜなら貧困と戦う技術と知識を身に着けたからだ』と自信をもって発言していた。プロジェクトをやったことの意味を感じた時だった」と述べていました。
授業では、高校時代から現在までの自身の歩みについての言及もありました。徳末氏は、大学時代に参加したNPO活動やアメリカへの留学の機会に様々な人との出会いがあり、そのことが一つの契機となって、非営利活動の世界に関心を抱いたといいます。
大学卒業後は民間企業に就職したものの、1年で退職して国連平和大学の修士課程に進学し、コスタリカとフィリピンで開発について学んだ。そしてその後、開発コンサルティング企業を経てSAAに就職し、エチオピア駐在を得て、現在に至ります。
2025.06.11


最後に、日本の支援活動について。日本はボスニアで教育統合や農業支援を行い、民族間の和解を促進しようとしてきたが、依然として課題が多いとのことでした。

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ゲスト講義実施報告(JICA:橋本 敬市様)
「専門演習」(担当教員:渡邉 松男生)の授業にて国際協力機構(JICA)専門員の橋本 敬市様をお招きし、講義をしていただきました。
まず橋本さんが現在取り組んでいるコソボとウクライナの偽情報対策や、ウクライナ情勢とバルカン半島の歴史的背景が導入として紹介されました。ロシアがウクライナから国際社会の注意を逸らすためにバルカン地域に傭兵を送り込み、不安定化を図っている状態が導入として話されました。ロシアが情報操作によってウクライナ侵攻を正当化する言説を流布し、ウクライナのNATO加盟を阻止する企図が披露されました。
次に、ユーゴスラビアの歴史とその崩壊について説明されました。旧ユーゴスラビアは民族間の対立が深まり1990年代に内戦が勃発したところ、特にセルビア人、クロアチア人、ボスニア人の間の武力対立が激化し、国際社会が介入することになりました。ボスニア紛争にはNATOとして史上初めて武力介入し、セルビア軍を空爆することで紛争を停止した。だが、その後のデイトン和平合意がボスニアの政治的機能不全を招いたと言わざるを得ません。
デイトン合意の付属文書であるボスニアの憲法が事実上米国によって作成されましたが、各民族に付与された拒否権があるために国会が機能しない状況が続いていると指摘されました。また、上級代表事務所を設置し強権(ボンパワー)を持ってボスニアの政治を管理していますが、これが非民主的であるとの批判もあります。この国家の機能不全により、ボスニアの若者は将来に希望を持てず、国外に流出している状況が続いています。
講義後は、ボンパワーと国の民主的プロセスへの弊害、民族和解における教育の実践上の課題について学生から質問が出されました。