教員紹介

  • 交易

国際文化学域

新たに生まれた文明との出会い
キーワード :
キリスト教、東ローマ帝国、異文化理解

小林 功教授

所属専攻:
ヨーロッパ・イスラーム史専攻
専門分野:
ビザンツ帝国、地中海世界
わたくしはビザンツ帝国について研究しています。地中海沿岸を支配していたビザンツ帝国は7世紀、イスラームの拡大によって急激に領域を縮小させていきました。イスラームはビザンツ帝国の人々にとって、最初はまったく未知の存在で、「彼らは何者なのか」もわかっていませんでした。しかしそのような状況から長い期間をかけて、徐々に彼らへの認識を深めていったのです。その間、幾度もの戦争や対立がある一方で、交易などで徐々につながりが生まれ、互いにさまざまな影響を与えあいました。激変する状況の中で、ビザンツ帝国やイスラームの人々がどのように生き、つながっていったのか研究することが、わたくしの現在の課題です。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

現在、世界はさまざまな面で激しく変化しつつあります。自分たちにとってなじみがない、あるいは未知の存在に対しても単純に拒否し、避けるだけではなく、対話して、認識していくことが不可欠です。立命館大学文学部での学びを通じてみなさんは、未知の存在との対話のためのツールを手に入れることができるでしょう。

COLUMN

世界の今後を理解する上で不可欠の
「イスラーム」を深く学ぶ

ヨーロッパ・イスラーム史専攻

小林 功

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国際文化学域

近代ユーラシア商業のネットワークと太平洋世界

森永 貴子教授

所属専攻:
ヨーロッパ・イスラーム史専攻
専門分野:
近代ロシア社会経済史
近代ロシア商人史が専門ですが、これを出発点にユーラシア大陸の商業ネットワークや民族などを研究しています。ユーラシアではロシア人の他にユダヤ人、ギリシア人、タタール人、アルメニア人、モンゴル人などの多様な民族が独自のネットワークを形成しました。彼らは中世に北方の毛皮を、近代に中国の茶を求めて国境を越えていきました。その活動は探検も含めて太平洋、地中海にも広がっています。研究の中で面白いのは、彼らのローカルな文化や慣習の違いがあるのに、「モノ」への欲望は共通している点です。現代のグローバル社会を生きる私たちにとって、「ヒト」の交流・混淆がもたらすものを考えるのは大きな意味があると思います。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

歴史は単なる年表や人名の羅列ではありません。歴史の本当の面白さは、「異文化としての過去」に生きた人々が、どんな世界観や価値観を持ち、それが現代までどうつながっているのか知る事です。受験生の皆さんには「歴史が好き」という気持ちや興味関心を大事に、学ぶ楽しさを知ってほしいです。

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国際コミュニケーション学域

海での略奪が合法的だった時代のイギリスの歴史から、戦争、国家、経済の関係を考える
キーワード :
イギリス、海軍、通商、植民地

薩摩 真介准教授

所属専攻:
英語圏文化専攻
専門分野:
歴史学(近世イギリス史、植民地時代アメリカ史、大西洋史)
 海上で他国の船を襲って積み荷を奪う、こう聞くとそれは海賊なのでは?と思う人もいるかもしれません。しかし16~19世紀のイギリスを含む多くのヨーロッパの国々では、海軍や民間の船が政府の認可を得て戦争中に敵国の船を合法的に略奪することが許されていました。また16世紀のエリザベス女王期の略奪の成功体験を基に、海軍を活用すれば直接的間接的に富が得られるという議論も、当時の英国議会やメディアで盛んに見られました。私の研究では、近世にみられたこのような広義の海軍力行使と利益獲得(の期待)の結びつきがイギリスの政治・外交政策にどのような影響を与えたのか、またそのような略奪を統制する国際ルールは、諸国家や経済的利害集団の間のいかなる関係の中から生まれたのか、ということを探っています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

人間の知性は受験勉強の知識や受験テクニックだけで測れるものではありません。受験勉強もある程度は大事ですが、それと同時に、頭が柔らかい今のうちに受験には関係のない本もたくさん読み、ものを考え、幅広い視野と柔軟な発想力を身につけてください。それはキャリアや収入には直接つながらないかもしれませんが、みなさんが充実した人生を送るうえで一生の財産になります。

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