教員紹介
- 差別
歴史学は、現代社会を生きる我々が直面している、いまなお解決されていない諸問題について、深層から照らし出す光源となりうる学問です。かつて何が問題とされたのか、そして今何が問題なのか。
関心の基底には、日本社会はなぜ変わらないのか、という問いがあります。変革の必要性はしばしば認識されるにもかかわらず、なぜ大きな運動にまで至らず、すぐに冷めてしまうのか。
しかし一方、歴史上には、変革可能性の芽が大きく花開こうとした時代が三度あります。それぞれの背後にあるのは、メディア編制の構造変動です。その時代固有の論理を大事にしながらも、時代を軽々と越えて論じることのできる点が、私の研究の面白さです。
関心の基底には、日本社会はなぜ変わらないのか、という問いがあります。変革の必要性はしばしば認識されるにもかかわらず、なぜ大きな運動にまで至らず、すぐに冷めてしまうのか。
しかし一方、歴史上には、変革可能性の芽が大きく花開こうとした時代が三度あります。それぞれの背後にあるのは、メディア編制の構造変動です。その時代固有の論理を大事にしながらも、時代を軽々と越えて論じることのできる点が、私の研究の面白さです。
もっと見る閉じる
「人が人を支配する」という暴力が最も鮮明に「制度」として表れるのが、近代の植民地支配です。明治維新のあと、日本が近代国家として国際社会に出た陰には、朝鮮や台湾などの植民地支配がありました。しかし、何千万という人を植民地支配することは、それほど簡単なことではありません。どのような制度をつくり、どのような政策を実施したのか。その時、朝鮮の人々はどのように対応したのか。その結果、朝鮮社会はどのように変わっていったのか。当時の史料や証言を分析すると、思わぬ事実や構造が浮かび上がってきます。こうした客観的な分析を通じて、日本と韓国・朝鮮の間で未だに課題となっている植民地支配の問題解決を目指します。
COLUMN
K-POPや「三国志」から、言語、歴史や思想へ、東アジアについて学びが広く・深くなっていく
現代東アジア言語・文化専攻
庵逧 由香
もっと見る閉じる
私は中世ヨーロッパの世界を研究しています。それは遠い過去ではありますが、現代ヨーロッパの基礎はこの時代に形成されたのです。中世ヨーロッパ研究の面白さというのは、私たちとは異なった過去世界の文化や価値観を知るばかりではなく、それをつうじて「現代」をより深く認識することができる点にあるといえましょう。私の場合、キリスト教世界である中世ヨーロッパにおいて、正統のローマ・カトリック教会から「異端」とされた人々の運命に関心があります。異端者をはじめとしたマイノリティに対する迫害と不寛容の歴史は、現代の世界の各地に起きる宗教対立という私たちの「今」を考え直す材料を与えてくれるからです。
もっと見る閉じる
小川 真和子教授
- 所属専攻:
- 英語圏文化専攻
- 専門分野:
- アメリカ研究、アメリカ史
私はこれまで、太平洋を越えて国際的な平和運動や社会改良運動などに携わった日本人やアメリカ人の活動について研究してきました。 近年ではハワイへ渡った日本人水産業者や、それを取り巻くハワイ、日本、アメリカとの関連についてローカル、そしてグローバルな視点から探求しています。日本は周囲の海によっ て諸外国と隔てられた島国なのではなく、海によって世界とつながり交流してきた太平洋世界の一員と捉えています。またアメリカも太平洋の政治や経済、文化に強い影響を与えてきました。日本とアメリカの間に位置するハワイを定点観測地点として、日米関係を「海」から捉え直すというのが私の現在の研究テーマです。
COLUMN
海を渡った日系移民の足跡をたどり、 日本とアメリカの未来について考える。
英語圏文化専攻
小川 真和子
もっと見る閉じる
私の専門はアフリカ系アメリカ人の歴史と文化です。その中でも特に彼・彼女らたちを標的とした暴力と、こうした人種暴力に対する抵抗の歴史を、さまざまな視点から研究しています。当時の出来事を明らかにすることだけではなく、それが現在に至るまでどのように語られてきたかという commemoration(公的記憶)の問題を考えることにも関心があります。たとえば博物館などにおいて、暴力の歴史はどのように展示されているのか。教科書はどのようにその歴史を教えてきたのか。過去と現在のつながりを見ていくと、歴史はますます面白いものになります。
もっと見る閉じる