教員紹介
- デジタルアーカイブ
日本人は、視覚型表現に非常に優れているようです。歴史的にみても絵巻や絵本、浮世絵は、世界的にも注目されるジャンルですし、写真、マンガやアニメ、ビデオゲームと時代は推移しても世界を牽引してきました。これらの対象をデジタル技術を応用して、大量に集積した情報から比較分析する手法を使ってパズルのように結論を導き出します。海外の美術館や博物館、あるいは個人コレクターによって所蔵されている研究資源も数多くあるため、海外調査が多い点も魅力的です。
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窯業考古学、京都の伝統工芸考古学は「もの」から見る歴史です。物質文化研究と説明することもあります。京都の歴史は古文書から明らかにされてきましたが、それは一つの見方にすぎません。実際に京都の町を歩いて見れば、そのことは一目瞭然です。私の特技は、その陰で取り残されてきた貴重な遺産を掘り起こして集めることです。西陣織・友禅の図案、唐紙、尾形乾山の窯跡、清水焼の陶器製手榴弾、信楽焼の陶器製地雷、 平安時代と変わらない鏡の鋳造技術など、多くの場で驚き感動してきました。
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私は、江戸時代に行われた新田開発をとおして、ある時期、ある地域に、なぜ人々が住み始めるのかを明らかにしたいと考えています。江戸時代は、戦国時代に終わりと告げ、農業社会とこれを支える商工業なども盛んとなり、人口も増えて行きます。土木技術も発展し、日本各地で新田開発が行われました。新田開発は、新しい耕作地を拓くとともに、屋敷、上水路、薪炭林、寺、神社、街道など、人々の生活のために欠かせない居住環境も整備されました。ときには町を作ることもありました。新田開発は、地理学において長い伝統を持つ研究領域です。これまでの研究の蓄積を振り返りながら、地理情報システム(GIS)の活用や、史料の再検証を行い、新たな発見をするべく取り組んでいます。
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明治期以降の近代日本には、各地で新たな療養地や避暑地が誕生しました。たとえば、明治期の医学において、未知の病気であった脚気の治療には、冷涼かつ良質な空気が必要と考えられており、温泉のないような山間地域のなかには転地療養地として評価された場所もあります。避暑地については、軽井沢をおもなフィールドに、過去の新聞・雑誌・小説の記述、絵葉書や開発図面などの資料を組み合わせることで、表象される場所・景観、ないしイメージ、あるいはつくりだされた別荘地の意味を空間的に読み解いてきました。研究資料の調査は「宝探し」のようでわくわくしますし、歴史のなかで忘れられた出来事を再評価し、光を当てることも歴史地理研究の魅力です。
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