教員紹介
- 漫画・アニメ
私の研究は明治40年代の石川啄木の評論や詩歌の文学史的・思想史的な位置づけを、与謝野晶子をはじめとする歌人・文学者の作品 とともに明らかにすることを目標としています。啄木は、「東海の小島の磯の白砂に/われ泣きぬれて/蟹とたはむる」など、孤独や望郷をうたった歌人として、近代以降、多くの人に読み継がれてきました。文学雑誌「明星」の浪漫主義から出発し、やがて自然主義に対する内的な批判者となった啄木の、詩歌と散文(評論・小説)というジャンルの垣根を越えた多彩な文学表現は、明治の文学史を理解する上でも重要です。併せて、与謝野晶子をはじめとする近代短歌の表現の面白さについても研究しています。
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文学研究と映像研究の手法を用いて、アニメーション作品の研究を行っています。例えば、映像にも文章と同じく文法があります。ただなんとなく撮影しただけの動画は、決して「映画」にはなりません。悲しい場面には悲しみを表現する工夫(演出)が必要です。約2時間という限られた上映時間のなかで、観客を作品に引き込むストーリー展開の工夫も必要です。また、「ミュージックビデオのように音楽と映像をシンクロさせるのが得意な監督」のように、監督の文体といったものも存在します。
そんなアニメーションの面白さの秘訣を探る。つまり、作品に使われている文法や文体を分析し、監督が作品を通して観客や社会に伝えたかった想い(思想)をあぶり出す。そんな研究を行っています。
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仏教美術史および日本・東洋美術史が専門です。仏教美術は、日本の美術のみならず、インド・中央アジア・中国・朝鮮半島・東南アジアなど、アジア各地の文化・芸術を吸収しつつ発展してきた経緯を読み解く面白さがあります。京都の恵まれた環境を活かして、皆さんも是非その面白さを味わって欲しいと思います。また最近では、日本美術史において、マンガやアニメーションも扱われ、「日本」の枠内で、その特異性や面白さについて語られることが多いようですが、欧米を含む様々な地域の文化や芸術との関わりも密接だと思います。文化芸術専攻として、世界各地の芸術を参照しつつ、これからの日本・東洋美術を考えることも、私の重要なテーマです。
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アメリカの歴史やポピュラー文化を中心に、ジェンダーの視点から男性の多様性と雑種性についての当事者研究をしています。特に、弱者としての男性について興味があります。従来の歴史が取り上げてきたのは英雄や政治家といった強者の男性たちです。そんな彼らの陰に埋没した弱者の男性たちの歴史的経験を掘り起こすことなくして、男性中心社会の在り方を変えることはできません。強者は力で他者を支配し、その力を奪われることを恐れる単純な存在です。それに対して、弱者は時として死ぬことすらも恐れない屈強な精神と無限の可能性を内に秘めた存在なのです。
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