アジア・マップ Vol.01 | トルコ

トルコ21世紀年表

今井 宏平(ジェトロ・アジア経済研究所 海外研究員)

1999年
2月1日 著名ロック歌手、バリシュ・マンチョが死去
2月16日 PKK党首オジャランがケニアのギリシャ大使館で逮捕
8月17日 イスタンブルに近いイズミットでマグニチュード7.6の地震が発生
10月12日 ドゥズジェでマグニチュード7.2の地震が発生
12月11日 欧州理事会がトルコをEU加盟候補国として承認
2000年
5月5日 アフメット・セゼルが10代目の大統領に就任
7月3日 著名な喜劇俳優、ケマル・スナルが死去
10月19日 バクー・トビリシ・ジェイハンをつなぐ原油輸送ライン建設が批准
11月末 金融危機が発生
2001年
2月末 2度目の金融危機が発生。翌3月に世界銀行に勤めていたケマル・デルヴィシュが経済の立て直しに着手
3月22日 アタテュルクの養子でトルコ初の女性パイロットであるサビハ・ギョクチェンが死去
8月14日 公正発展党が結党
2002年
6月29日 サッカーの日韓ワールドカップでトルコ代表が3位となる
11月3日 総選挙で公正発展党が勝利し単独与党に。アブドゥッラー・ギュルが首相に就任
2003年
3月1日 大国民議会でイラク戦争への不参加が決定
3月15日 レジェップ・タイイプ・エルドアンが首相に就任
11月15・20日 15日にイスタンブルの2ヵ所のシナゴーグ、20日にHSBC銀行前で爆破テロが勃発
2004年
4月24日 国連のアナン事務総長の仲介の下、ギリシャ系住民が住むキプロス共和国とトルコ系住民が住む北キプロス・トルコ共和国の統合に関する国民投票が実施。キプロス共和国で批准されず、キプロス統合は実現せず
12月17日 EU首脳会議で05年10月からトルコとの加盟交渉を実施することが決定
2005年
1月1日 インフレの終息を受け、それまでの100万リラを1リラとする新たな紙幣が発行
4月20日 著作家のトゥルグット・オザクマンが独立戦争を題材とし、ベストセラーとなった『トルコ狂乱』を刊行
10月10日 著名な小説家・コラムニストのアティラ・イルハンが死去
2006年
10月12日 オルハン・パムクがノーベル文学賞を受賞
10月19日 トルコ政府は国連レバノン暫定駐留軍に237名の兵士と24名の文民の総勢261名を派兵
11月5日 首相を4度務め、共和人民党、民主左派党の党首を務めたビュレント・エジェビトが死去
2007年
1月19日 『アゴス』紙の主筆でいわゆる「アルメニア虐殺問題」について論争を展開していたフラント・ディンクが殺害される
1月24日 元外務大臣のイスマイル・ジェムが死去
4月24日 公正発展党がギュル外相を大統領候補に選出したことに軍部がウェブサイト上で警告を行う。しかし、ギュルは8月に大統領に就任
7月22日 総選挙で公正発展党が単独与党の座を維持
2008年
2月29日~3月20日 北イラクでPKKに対して空爆を実施し240人を無効化
5月21日 トルコ政府がシリアとイスラエルの間の仲介を実施することを発表。
2008年中に4回の間接協議が実施されるも、イスラエルのガザ攻撃でトルコの仲介は頓挫
6月4~6日 ギュル大統領が日本を訪問
2009年
1月29日 ダボス会議に出席したエルドアン首相が同席したイスラエルのペレス大統領を非難し、途中退席
7月31日 トルコ政府はクルド問題解決に向けた民主的イニシアティブを発表
10月1日 トルコの影絵芝居カラギョズがUNESCOの無形文化財に指定
10月14日 トルコのギュル大統領とアルメニアのサルキシアン大統領が共同で両国のサッカー代表選を観戦し、関係改善を模索
2010年
5月22日 最大野党の共和人民党の党首、デニズ・バイカルの辞任を受け、新たにケマル・クルチダールオールが党首に選出
5月31日 ガザ支援のためにガザ沖の公海上を航海中であったマーヴィ・マルマラ号をイスラエル軍が急襲し、9名のトルコ人と1名のアメリカ人が命を落とす
9月 エルトゥールル号事件から120年。「トルコにおける日本年」開催。
9月12日 国民投票で憲法改正案が可決
2011年
2月27日 元首相でトルコの親イスラーム政党を牽引してきたネジメッティン・エルバカンが死去
4月 トルコにシリア難民が流入し始める
6月12日 公正発展党が総選挙で勝利。議席の過半数を確保し、単独与党の座を維持
9月12~16日 エルドアン首相が「アラブの春」を経験したエジプト、チュニジア、リビアを歴訪
9月21日 トルコ政府がアサド政権との関係を断絶
11月19日 ヴァン県でマグニチュード5.6の地震が発生。10月23日にやはりヴァン県で起きたマグニチュード7.2の地震を受け、援助のためにヴァンで活動していた難民を助ける会の宮崎淳さんが殉職
2012年
1月13日 長年北キプロス・トルコ共和国の大統領を務めたラルフ・デンクタシュが死去
3月16日 NATOがアフガニスタンで展開するISAFに参加していたトルコ兵を乗せたヘリコプターが墜落し、トルコ兵12名が死去
11月17日 エルドアン首相がエジプトを訪問し、ムハンマド・ムルシー大統領と会談
12月7日 潘基文国連事務総長がトルコのガズィアンテプを訪問し、シリア難民と面会
2013年
1月17日 トルコの著名なコメンテーターであるメフメット・アリ・ビランドが死去
5月14日 トルコがIMFからのローンを全て返済
5月~6月 イスタンブルのタクシム広場に近いゲズィ公園の再開発をめぐる抗議運動が各県での反政府運動へと拡大した「ゲズィ運動」が発生
12月5日 トルココーヒーとその伝統がUNESCOの無形文化財に登録
2014年
4月12日 アフメット・ダヴトオール外相が広島で開催された軍縮・不拡散イニシアティブ外相会合に出席
8月10日 エルドアンが初の国民による直接投票によって大統領に選出
8月27日 ダヴトオールが首相に選出
9月20日 イラクのモースルで「イスラーム国」に拘束されていたトルコ領事館関係者49名(イラク人3名)が解放される
2015年
2月28日 トルコの著名な小説家、ヤシャル・ケマルが死去
5月9日 1980年9月12日クーデタの際の統合参謀総長でその後大統領を務めたケナン・エヴレンが死去
6月7日 総選挙で公正発展党が単独与党の座から転落(11月1日の再選挙で再度単独与党となる)
6月17日 首相を5度、1993年から2000年まで7年間大統領を務めたスレイマン・デミレルが死去
9月2日 夏から多くの難民がトルコ経由で欧州に渡る欧州難民危機が発生。同時に多くの犠牲者も出す。同日、海岸で3歳のアイラン・クルディが死亡している写真がメディアで取り上げられ、世界に衝撃を与える
10月10日 アンカラの鉄道駅付近で自爆テロが発生。103名が死亡するトルコ史上最悪のテロとなる
11月24日 シリアでトルコ軍機がロシア軍機を撃墜する事件が発生。トルコとロシアの関係が悪化
2016年
3月18日 トルコとEUの間でシリア難民に関する難民協定が締結
5月24日 ダヴトオールに代わりビナリ・ユルドゥルムが首相に就任
6月28日 アタテュルク国際空港で無差別乱射・自爆テロが発生し、47名が犠牲となる
6月30日 トルコとロシアが関係正常化
7月15日 フェトフッラー・ギュレン師が首謀者とされるクーデタ未遂事件が発生
8月26日 イスタンブル第三大橋(ヤブズ・スルタン・セリム大橋)が完成
2017年
1月1日 イスタンブルのオルタキョイのナイトクラブで39名が犠牲となる無差別テロが発生
4月16日 国民投票で次回選挙後、議院内閣制から大統領制への移行が決定。
9月6日 世界的に著名な社会学者、シェリフ・マルディンが死去
10月29日 善良党が結党。党首はメラル・アクシェネル
2018年
6月24日 大統領選挙でエルドアンが勝利し、大統領制での最初の大統領となる。一方、議会選挙では公正発展党が第一党となるも単独与党とはならず
10月2日 ジャーナリストのジャマル・カショギがイスタンブルのサウディアラビア領事館で殺害される
10月29日 アタテュルク空港に代わる新たな国際空港としてイスタンブル空港が開港
2019年
2月20日 著名な歴史家、ケマル・カルパットが死去
3月31日 地方選挙で公正発展党が最大の得票数を得るも、イスタンブル、アンカラ、イズミルの3大都市の市長選で敗北。イスタンブルは市長選がやり直しになるも結果は変わらず
7月1日 エルドアン大統領が日本を訪問し、天皇陛下と会談
10月9日 クルド民族主義組織打倒のため、北シリア越境作戦「平和の泉」作戦を敢行
2020年
3月11日 トルコで初のコロナ・ウィルス感染者が発生
10月30日 エーゲ海を震源とするマグニチュード6.9の地震が発生し、イズミルを中心に117名が犠牲となる
12月14日 米国から「敵対者に対する制裁措置法(CAATSA)」、いわゆるロシア制裁法に基づく措置が発動される
2021年
1月4日 イスタンブルのボアジチ大学で大統領が任命した新たな学長に対して教員と学生たちが反対するデモが発生
2月14日 エルドアン大統領がアラブ首長国連邦を訪問
4月29日 コロナ・ウィルス対策として5月17日までロックダウンを実施
11月24日 アブダビ首長でアラブ首長国連邦皇太子のムハンマド・ビン・ザーイドがトルコ訪問
2022年
2月3日 トルコとウクライナの間でFTAが締結
3月10日 アンタルヤでロシア、ウクライナ、トルコの外相会談が実現
6月22日 サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマンがイスタンブルを訪問し、エルドアン大統領と会談
7月13日 イスタンブルで 4 者(ロシア・ウクライナ・国連・トルコ)協議が行われ、ウクライナの穀物輸出に合意

書誌情報
今井宏平「トルコ21世紀年表」『《アジア・日本研究 Webマガジン》アジア・マップ』1, TR.3.02(2023年3月28日掲載)
リンク: https://www.ritsumei.ac.jp/research/aji/asia_map_vol01/turkey/timeline/