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2026.04.24

第88回AJI研究最前線セミナーが開催されました! Dr.孫怡「中国都市部における家族の共同育児と母親のwell-being:祖父母の育児支援と父親の育児関与」

 2026年4月14日、第88回AJI研究最前線セミナーが開催されました。今回は、立命館アジア・日本研究機構の客員研究員である孫怡先生が「中国都市部における家族の共同育児と母親のwell-being:祖父母の育児支援と父親の育児関与」をテーマに発表を行いました。

発表を行うDr.孫怡
発表を行うDr.孫怡

 孫怡先生の発表では、中国都市部で実施された「産後育児支援と母親のwell-beingに関する調査」にもとづき、その内容と結果が報告されました。祖父母による育児支援が母親の心身の健康において重要な役割を果たしていることは明らかになっているものの、異なる社会文化的背景や家庭環境における影響のメカニズムについては、いまだ十分に検討されていません。こうした状況を踏まえ、孫怡先生の発表では、中国都市部における三世代による共同育児に焦点を当て、上海において0~2歳の子どもを持つ家庭を対象に実施された質問紙調査の結果をもとに、祖父母の育児支援が夫婦関係および母親のwell-beingに及ぼす影響が明らかにされました。分析の結果、祖父母の支援は父親の育児参加を大きく変えるものではなく、主として母親を補助する形で、既存の性別役割分担を維持する傾向が見られました。一方で、祖父母の支援は育児ストレスの軽減に寄与する可能性も示唆されました。

 さらに、父親の育児参加が高まることで、夫婦による共同育児の質が向上し、生活満足度が高まり、育児ストレスが軽減されることが明らかになりました。

 質疑応答では、調査対象となった家族数や、上海を調査フィールドとして選定した理由などについて活発な議論が行われました。

過去のAJI最前線セミナーについては以下のリンクからご覧いただけます。
https://www.ritsumei.ac.jp/research/aji/young_researcher/seminar/archive/