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2025.12.17

【Report】CSEAS京都大学講演会を開催しました!“Japan-ASEAN intra-migration mobility: an overview” (Dr. Yusy Widarahesty)

2025年12月16日(火)、Dr. Yusy Widarahesty(立命館アジア・日本研究機構 専門研究員)が、京都大学東南アジア研究センター (CSEAS)にて行われた講演会にて “Labor at the Threshold: Gatekeeping, Mobility, and ASEAN-Japan Partnerships”と題して講演を行いました。本イベントはMario Ivan Lopez准教授(京都大学)によって企画されたものです。

まずDr. Yusyは、日本とASEANの労働力に関する協力の歴史的関係について話すところから発表を始めました。それと同時に、インドネシア、フィリピン、ベトナムを中心とするASEAN諸国が世界の労働力供給の役割を果たしていることに加え、そのことに影響を与える様々な要因について話しました。また、人口動態の変化による労働力減少の危機に直面している日本を含む先進国が直面する課題とどのように連動しているかについても説明されました。

次にDr. Yusyは、日本が高齢化と労働力不足に対処するなかで、インドネシア、ベトナム、フィリピンの移民制度が日本への労働移住者の移動に与える影響やその規制のあり方についての考察が示されました。彼女の研究は、移動する人々が関わるリクルート、配置、監督、再統合に渡るプロセスを調べ、3つの主要な派遣国を比較し、移住者がどのように選ばれ、管理され、また帰国するのかを明らかにするものです。

Dr. Yusy (右) とMario Ivan Lopez准教授(左)
Dr. Yusy (右) とMario Ivan Lopez准教授(左)

プレゼンテーション後には活発な質疑応答が行われました。参加者からは、インドネシア人、ベトナム人、フィリピン人のコミュニティが日本の反移民問題をどのように認識しているかなど、多くの興味深い質問が投げかけられました。加えて、技能実習制度 (TITP)に代わる新しい制度の導入について、それに対するASEAN諸国の対応はどのようなものになるのか。準軍隊式の出国前の訓練プログラムは日本企業に知られているのか、それともこれらの企業からの要請に基づいて設計されているのか。尊厳ある職場環境を作る最善の方法は何か、など多くの本質的な問いについて議論が行われました。

過去のAJI最前線セミナーについては以下のリンクからご覧いただけます。
https://www.ritsumei.ac.jp/research/aji/young_researcher/seminar/archive/