所長室から

英文ジャーナル創刊の御礼

 いよいよ、アジア・日本研究所の英文ジャーナルが創刊されました。電子ジャーナルとして、PDF版で公開されています。(目次は、こちらをご覧下さい。)

 編集委員会が設立されたのが昨年(2018年)の6月。まるまる1年かかった勘定ですが、高度に専門的なジャーナルの創刊ということから言えば、むしろ短期間というべきかもしれません。無事に刊行にこぎ着けることができ、嬉しさもひとしおです。故・渡辺公三副総長(本研究所を設立なさった初代所長)から、「まず、英文ジャーナルを作って下さい」と言われたのは、さらにその1年前でしたから、2年でその責務を果たすことができ、安堵いたしました。

 編集部と編集委員の先生がた、デザイン・印刷・校閲等にご尽力いただいた皆さまに、厚く御礼申し上げたいと思います。そして、査読に関わってくださった専門家の皆さまに、深謝申し上げます(完全な覆面審査ですので、名前は秘匿されている皆さま方ではありますが)。

 学術誌が学術的な質と公正さを維持するためには、専門家同士の査読審査を実施することが肝心、ということは周知の通りです。ただ、査読審査をお願いしてレフェリーになっていただく皆さまは、その道の専門家として多忙な方が多いので、審査期間がかなり長くかかるということも、ご存じの方はご存じの通りです。

 その一方で、投稿なさる方は少しでも早く自分の研究成果を広く公開したいわけですから、査読期間をできるだけ短くしてほしいという要望があります。ジャーナルの使命としても、研究成果はできるだけ早く公刊するのが務めでもあります。
 そこで、本ジャーナルでは、査読期間の短縮化を1つの目標として(内々の目標ですが)、掲げました。結論から言うと、採用される場合は最長でも5か月で査読を終了するというパターンを確立できたと思います。これがどのくらい短いかは、学会誌などの編集に携わったことがある方には、よくおわかりいただけるだろうと思います。

 この短い査読期間を実現するには、査読者のご尽力が欠かせません。また、事務局の奮闘も欠かせません。あらためて、ご協力いただいた皆さまに御礼申し上げます。

 まもなく、第2号の投稿募集が発表されます。創刊号をご愛読いただくとともに、次号へ奮ってご投稿いただくよう、心よりお願いいたしたく存じます。

(2019.7.31記)