先輩からのメッセージ

CASE 14

今自分には何が必要なのか、
何がしたいかを
よく考え、悔いのない
高校生活を

PROFILE

小林 智晴 さん Tomoharu Kobayashi

小林 智晴 さん

エスアイアイ・クリスタルテクノロジー株式会社
2020年度 政策科学部卒業

自宅/ 下宿
下宿
出身高校
文星芸術大学附属高等学校
出身地
栃木県
クラブ
将棋研究会
主な活動実績
2017年 第13回富士通杯争奪全国大学対抗将棋大会優勝、第47回全日本学生将棋団体対抗戦優勝
2018年 第47回学生王将戦第4位

これから入学前準備に入る高校生に向けたアドバイス

皆さんにはこれから大学入学までの期間を、是非有意義に過ごしていただきたいと思います。学力に不安を抱いている方は学業に励むもよし、大学での活躍を目指して課外活動に励むもよし、新生活のために家事を覚えるのもよし。また、今まで頑張ってきた分、この期間を利用して息抜きをするのもいいと思います。ただ、かつての私のように、気の緩め過ぎにはご注意ください(笑)。これから始まる大学4年間は、本当に楽しく、充実した時間になると思います。そのために、今自分には何が必要なのか、何がしたいかをよく考え、悔いを残すことなく高校生活を終えていただきたいと思います。皆さんの大学4年間が素晴らしいものになるよう、心から願っています。

高校3年生~現在において、
最も成長できた点、やりとげた点

  • 正課
  • 課外
  • キャリア形成上

私は学業における具体的な目標などは持っていなかったのですが、強いて言うならば、“単位を落とさない(≒留年しない)こと”は常に意識して正課に取り組んでいました。地元・栃木県から遠く離れた関西の私立大学に通わせてもらっている以上、留年して両親に、特に金銭面で負担をかけてはいけないという気持ちが強かったからです。結果的に、全く単位に悩まされることなく卒業することができそうなので、これを成し遂げた(やりとげた)と言っていいのではないでしょうか。

私は高校将棋の全国大会で上位に入賞し、特別選抜入学試験で入学しました。この大学に入学し、将棋の実力は、高校生時とは比較にならないほど向上しました。講義がある日は、部室で先輩方との早指し練習将棋や、コンピュータソフトを用いた序盤の共同研究を行い、帰宅後は、プロが指した将棋の研究やインターネットで練習対局などをして腕を磨いていました。また、休日は社会人強豪や奨励会員(プロ棋士の卵)との練習会に参加し、教えを請いました。これらを続けてきたことが、2回生時に学生全国大会個人戦4位、3回生時に社会人も参加する大会での2度の大阪府代表獲得という成績につながったと考えています。

コミュニケーション能力や、礼儀などの社会常識を身に付けることができたと思います。大学に入学して、主に課外活動で、自分と年の大きく離れた方々と接する機会が増えました。特に、3回生時に主将を務めてからは、部の代表としてOBや外部の方々とお話しさせていただく機会が多くなり、そのような方々に対して失礼のないよう、自分自身の発言・所作には特に注意を払いました。就職活動中には、面接で面接官の方に「話しやすい」「しっかりしている」などと言っていただくことが多々あり、自身の成長を実感することができました。

生活の軌跡

TURNING POINT

正課
卒業に向けて余裕のあるペースで必要な単位を修得できているかということを常に意識して授業に取り組んだ結果、順調に進めることができました。
課外
主将選挙に落選した際、顧問に何度も相談に乗っていただいたり、先輩や後輩には気分転換に付き合ってもらったりして周りの方々に支えられたおかげで、モチベーションを取り戻すことができました。また、自分はなぜ主将に立候補したのか、主将になって何をしたかったのかをもう一度思い出し、自問自答し、再選挙では無事当選することができました。

所属学部を選んだ理由と実際に学んで分かった魅力

私は政策科学部政策科学科に所属しています。この学部に興味を持ったきっかけは、父親の勧めでした。当時の私は社会学、中でも政治分野に興味があったので、私が学びたい分野に最も近い学部であると考え、志望することにしました。入学前は、政策(政治)に関連する学問を中心に学びを進める学部であるというイメージしか持っていませんでしたが、実際に講義を受講して、思っていた以上に幅広い学問領域を学ぶことができる学部であると感じました。私は、入学当初は政治分野に興味を持っていましたが、ゼミ活動を通じて、2回生時は食文化、3・4回生時は古典と政治の関係性に興味を持ち、学んでいました。このように、その時々で自身が興味を持った分野について学びを深められる環境が整っているのは、政策科学部の魅力のひとつだと思います。

正課と課外を両立するために心がけていたこと、
努力や工夫

  • 個人で工夫/努力/心がけていたこと
  • 友人に協力してもらったこと
  • 教職員に協力してもらったこと

時間割を組む際は、定期試験がある科目は5科目以下、定期試験は1日に2科目以下に抑えることを意識していました。私は直前詰め込みタイプだったので、このラインを超えると量が多すぎて暗記が不正確になり、単位修得は難しくなると考えたからです。また、定期試験前(2~3週間前くらい)には必ず講義の要点まとめをWordで作成し、それらを暗記してから試験に臨んでいました。この方法は、要点まとめを作る時とそれを暗記する時の2回脳にインプットする機会があるのがポイントです。私はこれらを実践してきたことが、今まで単位に悩まされず、充実した生活を送ることができた要因の一つだと思っています。

講義(定期試験・授業内テスト)に関する情報共有をしていました。内容は、講義中に教授が話していた重要ポイント、試験の問題形式や記述問題の内容など、試験に関するありとあらゆるものです。中には、自分が講義中に聞き逃してしまっていた重要情報があり、試験で命拾いした、という経験も一度や二度ではありません。私の場合、基礎演習(1回生のゼミ)で仲良くなった人や、将棋研究会の同じ学部の同期が成績優秀で、彼らに置いて行かれないように頑張ろうという正課のモチベーションにつなげることができたのは、とても幸運でした。

学業に関しては、友人に恵まれたことや学業へのモチベーションが保てていたため、教職員の方々に相談に乗っていただいたり、直接サポートしていただいたりしたことはほとんどありませんでした。しかし、課外活動で2回生時に副主将職、3回生時に主将職を務めることになってからは、サポートや相談に乗っていただく機会が増え、学生のサポートをしてくださる方々の存在のありがたみを強く感じるようになりました。具体的には、将棋研究会顧問の先生方には団体戦のオーダー決定や、私個人の悩みについて相談に乗っていただき、学生オフィスの職員の方々には、団体運営についてのアドバイスをいただくことが多かったです。

大学の正課・課外それぞれを通じて学んだこと

  • 正課
  • 課外

自律の大切さを学びました。大学での学びは高校までの学びとは異なり、個人の裁量に任される部分が非常に多いです。そのため、自分で自分を律し、主体的に学びを進めることが重要になってきます。正課と課外のオンオフの切り替えを意識し、計画的かつ集中して、レポート課題や定期試験対策に取り組むことができました。

メンタルの重要性を学びました。大学の団体戦は持ち時間が長く、高校生以前の団体戦の倍以上時間がかかるため、将棋の力はもちろん、体力や精神力の重要性が増してきます。団体戦全国大会の舞台で、劣勢の局面を耐え忍び、最終的に逆転して勝利を収める先輩方の姿を何度も見て、今まで以上に粘り強く気迫のこもった将棋を心がけるようになりました。

高校時代、大学時代に意識しやり遂げたこと、
やっておいて良かったこと、やっておけば良かったこと

意識しやり遂げたこと やっておいて良かったこと やっておけば良かったこと
高校時代 特別選抜入学試験を受験するためには一定以上の評定が必要と聞いていたので、定期試験の勉強には特に力を入れました。 お世話になった高校の英語の先生の影響で、英語は英文の構造理解を意識して勉強していました。そのお陰か、大学では英語の講義で苦労したことはありませんでした。 インターネットを用いた将棋の勉強は、もっと早くから取り入れるべきでした。実力・知識・経験など、全ての面において未熟過ぎました。
大学時代 軽度のアレルギーや持病を持っているので、それらを中心とした自身の健康状態には、特に気を付けていました。 父の影響で、毎日大学まで40分ほどかけて徒歩で通学していたのですが、健康維持に非常に効果的だったと感じています。 もっと京都散策をするべきでした。素晴らしい自然や貴重な文化資源を存分に堪能する時間があったのに、将棋ばかりやって散策しなかったのは非常にもったいなかったと、今になって後悔しています。

将来の目標

私が将棋を始めた当初から持っている、“アマチュアの全国大会で上位の成績を残し、プロの公式戦に出場すること”が当面の目標です。しかし立命館には、既にそれを達成し、さらに上のレベルを目指されている先輩が多くいらっしゃるので、私もいつかそのレベルに追いつき、追い越せるよう、日々精進します。また、来年からは地元・栃木県で働くことになるので、仕事と将棋を両立しつつ、普及活動などを通じてお世話になってきた栃木県の将棋界に恩返しができればと思います。

今の仕事(内定先)を選んだ理由

理由は多々あるのですが、決め手は社員の方々の人柄が非常に良く、この職場で働きたい!と心から思えたことです。コロナウイルスの影響で就職活動のオンライン化が進んだため、直接企業にうかがう機会が減ってしまい、職場の雰囲気などを確かめられないことに強く不安を感じていました。私が内定をいただいた企業は、安全面に最大限配慮しつつ会社説明会や面接を行ってくださったので、社員の方の人柄や職場の雰囲気を感じ取ることができ、内定をいただいた際には安心して内定を受け入れることができました。

大学で大変だった時期を、どう乗り越え、
その経験が現在の仕事/自分にどう役立っているか。

私が大学で最も大変だったと感じた時期は、前述のとおり主将選挙に落選した時でした。その際は、自分自身では自問自答してモチベーションの回復を図りましたが、周りの方々の支えが最も大きく、最終的には乗り越えることができました。そのときの経験から、再選挙で主将になった際には、今まで以上に部員とのコミュニケーションを取ることを心がけるようになり、部の運営に活かすことができました。

私にとっての立命館大学

私のこれまでの人生で最も充実した時間が過ごせた場所でした。大学生になって初めて一人暮らしを経験し、正課・課外活動を通じて多くのことを学び、多くの友人やつながりができ、そして何より好きな将棋に全力で打ち込むことができました。立命館大学で培った多くの貴重な経験や人とのつながりは、今後の人生で必ず活きると思います。