先輩からのメッセージ

CASE 15

課外活動を頑張っていること

正課活動を怠っていい理由
には一切ならない

PROFILE

水川 将太 さん Shota Mizukawa

水川 将太 さん

アイリスオーヤマ株式会社
2021年度 スポーツ健康科学部卒業

自宅/ 下宿
自宅
出身高校
立命館守山高校
出身地
京都府
クラブ
アメリカンフットボール部
主な活動実績
2020年度 関西学生アメリカンフットボールリーグ戦
準優勝
2021年度 全日本大学アメリカンフットボール選手権 3位、
UNIVAS マン・オブ・ザ・イヤー 受賞

これから入学前準備に入る高校生に向けたアドバイス

「人生の夏休み」と言われるほど、大学生活は自由です。ただ、そんな自由な生活を送る権利があるなか、部活動を選んだ皆さんは本当に凄いと思います。誇りを持ってください。しかし、課外活動を頑張っていることは正課活動を怠っていい理由には一切なりません。自分のやるべきことをしっかりと認識し、全力で取り組んでみてください!そうすれば自然と応援してくれる人は増えてきます。と、真面目な話はここまでにして、大学に入った後のことはそこまで慎重に考えなくていいです!なんとかなります!それよりも残りの高校生活を全力で楽しんでください!皆さんのご活躍を心から祈っています!!

高校3年生~現在において、
最も成長できた点、やりとげた点

  • 正課
  • 課外
  • キャリア形成上

成長できた点は、「物事に対して論理的に考える力」です。大学での学びは、問いに対する答えが何通りもあります。つまり、自分なりの答えが正解になることもあるということです。この自分なりの答えというのも、適当に答えるのではなく、根拠のある答えが必要になります。論文やニュース、アンケート調査などの情報を駆使して答えを考えることで、論理的思考力を養うことができました。また、そうして考えた答えが認められ、私は4年間、一度も単位を落とさず卒業することができました。高校時代は、補習常連だった自分を思い返すと驚き極まりないですね。

成長できた点は、「優しさと甘えを識別できるようになったこと」です。私は、高校までは、ものすごい叱ることか、優しく受け流すことしかできませんでした。しかし、大学に入ってから、この「優しさ」は「相手を成長させることができない甘やかし」になってしまうことに気づき、そこからは、「相手のためになるかどうか」を軸に、褒め・指摘を意識するようになりました。特に、伝え方や伝えるタイミングも意識できるようになりました。絶大な効果があったかはわかりませんが、チームが良い方向に向かうためになっていたとは思います。また、周囲の人に指摘するということは、自分もそれ以上のレベルや振る舞いが求められます。指摘をすることで仲間と自分を比較し、自己分析もすることができ、自分の課題や長所を見つけ、改良することで補欠メンバーから準レギュラーメンバーまで這い上がることができました。

経験を抽象化し、他のフィールドでいかに転用することができるのかを意識するようになりました。正直、アスリートとして生計を立てることができる人口は一握りです。そのため、「自分からスポーツを取り上げたら何が残るのか」、この問いについて必死に考えるようになりました。プロになれないからスポーツをやる意味がないとか、研究者になるわけではないから大学の専門的な勉強も必要ないとか思うかもしれません。しかし、本当に重要なのは、「経験したことをそのまま放置するのではなく、そこで考えたプロセスや失敗、成功をいかに他のフィールドで活かすことができるか」です。私自身、現在務めている会社で学部で教わった専門的知識やアメフトのスキルが活かされることはありません。しかし、学んだ経験や目標達成のためのプロセスや試行錯誤した経験は今の仕事でも本当に活かされています。そして、経験を抽象化し、他のフィールドで転用することができているからこそ、現在の会社では、1年目ながら、社内で最も売上金額が大きい部署で仕事をさせていただいています。

生活の軌跡

TURNING POINT

正課・課外
大学1回生時にU19日本代表の選考に落選したことが一番のターニングポイントでした。高校2年生で高校日本代表入りした私にとってはプライドや自信をボロボロにされ、「自分からアメリカンフットボールを抜いた時、何ができるのか」と自問するようになりました。そして、アメリカンフットボール以外でも自信を持てるようになるために、学業に真剣に向き合うようになりました。そうすることで、学業とアメリカンフットボールの「文武両立」をしている私の姿勢を認め、応援してくれる方達のおかげもあって、自分に自信を持てるようになりました。

所属学部を選んだ理由と実際に学んで分かった魅力

スポーツが好きなのと、アメフト部の拠点であるBKCに学部を構えていたからです。でも実際に「スポーツ健康科学部」はスポーツをただ学ぶのではなく、「スポーツ」を通じて、数多くの学問を学ぶ場所であったと思います。解剖学やトレーニングについてだけでなく、マーケティングやビジネス、組織心理学、リーダーシップなど、スポーツ以外の学問についてもスポーツを通じて学ぶことができるということが、この学部の圧倒的な魅力です。特に体育会活動をしている人だと、学部で学んだことと部活で経験したことを還元し合えたりできます。また、先輩後輩、同期から教授まで、繋がりがとても深く、みんなが「もう一度入学してもスポ健を選ぶ」と言うくらい学部愛が溢れているところも魅力です。

正課と課外を両立するために心がけていたこと、
努力や工夫

  • 個人で工夫/努力/
    心がけていたこと
  • 友人に協力して
    もらったこと
  • 教職員に協力して
    もらったこと
  • その他

空きコマの使い方です。大学は高校までと違い、授業を自由に組むことができます。そのため、好きな時間帯に授業を入れることができ、授業がない時間帯(空きコマ)が発生します。放課後は練習がある体育会学生にとって、この空きコマの使い方が全ての命運を分けてしまうと私は思います。溜まっている課題などをここで取り組むようにし、練習後はゆっくり休み、練習の振り返りをするようにしていました。試合前であれば対戦チームの分析などに時間を割く時もありましたし、もちろん友達とゆっくり喋る日や昼寝をしている時もありましたが7割くらいは課題に時間を割いていたと思います。この習慣が文武両立を達成した一番の要因だと思います。また、「物事は両立できるからこそ美しく、応援してもらえる」という考えを持つようにしていました。

授業前後はアクロスウイング(BKC内のフリースペース)に友達と集合して同じ場所で勉強や課題を一緒にやっていました。お互い分からないことを聞き合ったり、入手した情報を共有したりすることで、効率よく取り組むことができていたと思います。休憩がてら購買にお菓子を買いに行ってシェアするのも楽しかったです(笑)。

授業で分からないことや行き詰まっているところなどは適宜ご指導いただきました。ただ、それよりも研究室に遊びに行って、相談に乗ってもらうことが多かったと思います(特に、山浦一保教授にはお世話になりました)。日頃の悩みや愚痴を聞いてもらったり、最近の出来事を話したりしていました。こうやって話を聞いてくれる先生や職員の方々の存在があったからこそ、4年間頑張ることができたと思います。

提出物の締め切りを管理することです。高校までと比べて大学では課題を出さなくても注意は受けませんし、知らせてくれる親切な人もあまりいません。そのため、私は提出物の内容と締め切りを表にまとめ、管理をしていました。提出数を可視化することで自分の頑張りも可視化でき、達成感もあります!

大学の正課・課外それぞれを通じて学んだこと

  • 正課
  • 課外

「目的、目標、手段」の識別ができるようになりました。この3点は似ているようで全然似ておらず、ここが混同してしまうと何をしているのかが分からなくなってしまいます。特に卒業論文やゼミを通じて、大学の学びは、社会がどうなっていて、「問題」は何かを考え、どうすれば課題を解決できるかを考えることが多くなります。最初は難しく感じていましたが、慣れてくると、どんな目的のためにどんな目標を立てて、それを達成するためにどんな手段があるのかを考えることができるようになりました。この習慣がついたことで常に「何のためにこの行動を取るのか」を自分で考えて意識できるようになりました。

「自分で変えることができること」に注目して考える大切さを学びました。私自身、チームの事情で大学3回生時にポジションを変更しました。正直、納得はできず、ネガティブな感情も抱いていました。今思い返すと、チームの目標を達成するための人員配置があって、その影響でやりたいポジションを誰もができるわけではないのだと思います。そんなことで悩むよりも自分がその「置かれた場所で咲く」ためにできることを考えて、行動することができていれば、もっと結果は変わっていたと思います。それを今思えていることが最大の学びです。

高校時代、大学時代に意識しやり遂げたこと、
やっておいて良かったこと、やっておけば良かったこと

意識しやり遂げたこと やっておいて良かったこと やっておけば良かったこと
高校時代 自分の弱点を克服し、日本代表になれた 部活動の幹部や文化祭のプロジェクト長などのリーダー経験 読書
大学時代 正課と課外を両立し、学外で表彰された
  • 「UNIVAS AWARDS 2021-22」において、文武両道を実践し、他の模範となる運動部学生を表彰するマン・オブ・ザ・イヤーに入賞
人脈を広げること 英語の勉強、お金の勉強

将来の目標

スポーツを通じて学んだことを他のフィールドに転用するロールモデルになることです。スポーツを通じて、競争力やリーダーシップ、PDCAサイクルを回す力など、多くの力をつけ、成長することができます。この経験をスポーツに留めるのではなく、仕事などの他のフィールドで転用できるようになればスポーツの可能性がもっと広がると思っています。キャリア形成も視野に入れた上でスポーツを行うことがスタンダードになってほしいです。直近の目標では1年以内に実績を残して、社内の「新人グランプリ賞」を取ることです。

今の仕事(内定先)を選んだ理由

コロナ禍で急成長できる仕組みがあったことと、体育会経験が社会現場で応用できると考えていたことです。コロナ禍で経済は悪化している中、成長できるということは「時代環境に左右されず成長ができる証拠」なので、そういった組織で成長を続ける仕組みを学びたいと思いました。また、この会社は「体育会採用枠」を設けており、「体育会学生は活動を通じて、社会人に必要な基礎力を自然と身につけている」ことを理由としている点が、自分の考えと合致したからです。

大学で大変だった時期を、どう乗り越え、
その経験が現在の仕事/自分にどう役立っているか。

一番の悩みは正課と課外の両立方法でした。それを乗り越えた秘訣は「スケジュール管理」だと思います。夜遅くまで練習して、翌日の1限の授業に出る。体育会学生って正直あまり自由な時間はないです。特に、私は実家ということもあり、通学時間もありました。友達と遊びに行く時間も作りたいと考えると、1分1秒も時間は無駄にはしたくなくて、徹底的なスケジュール管理が必要でした。授業や練習、遊びに行く予定も合わせて可視化することで自分のやるべきことも明らかになって、課題を進めることができました。この経験は数多くの業務が常にある仕事現場でそのまま役に立っています。

私にとっての立命館大学

数多くの挑戦ができる環境が整っている場所です。私は、アメリカンフットボール部に所属しながら、研究活動も行い、学生団体にて、体育会学生の支援にも注力できました。高校時代に補習常連だった自分が大学で多くのことを両立できていたことを思うと、驚く話です。しかし、それは数多くの方々のサポートがあったからこそ実現できたのであって、自分1人の力ではありません。そういった環境に本当に感謝しています。