2016年は立命館創立者・中川小十郎生誕150年にあたります。
これを期して、立命館では「立命館人物伝 立志の気概 中川小十郎 立命館創立ものがたり」(以下「マンガ 中川小十郎」)を発行しました。(注1)
小十郎の幼少期から青年期を経て「京都法政学校」を創立するまでを、史資料センター監修の下典拠史資料に基づいてマンガ化した冊子です。(注2)
(「マンガ 中川小十郎」の表紙)
マンガは、児童・生徒、校友の方々に配布するとともに、教育の現場で自校教育の参考資料として活用されています。
その様子をお伝えしましょう。
<立命館大学教養科目「日本の近現代と立命館」>
「日本の近現代と立命館」は、教養科目のA群教養基盤科目 「平和と民主主義」の科目群として1・2回生が受講する科目に位置づけられています。(注3)
科目の概要は、学園の創設から現代までの立命館学園の歩みを日本近現代史と連関させて学ぶリレー式講義で、「学園の歴史を通して立命館の教学理念を学び、創造的平和理念や民主主義理念の生成、キャンパス創造の歴史を学習し、学園創造時代における立命館の課題を展望する。」ことに学習目標を置いています。
「マンガ 中川小十郎」はこの講義の内「立命館創設前史―西園寺公望と中川小十郎の人物像を中心に-」の回で使用されました。
(2016年4月25日5時限目 「日本の近現代と立命館」講義
講師は史資料センターで中川小十郎の史資料を研究している 藤野真挙先生)
受講生235名。マンガはテキストと
ビジュアルの組み合わせメディア。
配布されるとすぐに読み始める。
<立命館小学校「立命科」>
立命館小学校は、「国際性」「人間性」「創造性」豊かな人格形成教育を教育方針としています。
この教育方針に基づいて4つの教育の柱を立て、学びの主体である子どもたちが、自ら学び、自らを鍛え、自らを超えて成長していくための学力や芸術教育、倫理教育など、人として生きていくうえでの基礎基本の習得を重視しています。(注4)
「立命科」は、4つの教育の柱のうち「高い倫理観と自立心を養う教育」として「人としての生き方・あり方を学ぶ」科目です。
この「立命科」の4年生の授業で、「マンガ 中川小十郎」が教材として使用されました。
(2016年6月29日 5時間目 4年生の「立命科」授業 講師は 岩﨑純子先生。 マンガの部分を用いて児童が意見を述べている)
マンガの想定読者年齢は小学生にしている。
そのためか先生の問いかけにたくさんの児童が積極的に発言していた。
2016年7月 立命館 史資料センター
(注1)
「マンガ 中川小十郎」の発行とともに、立命館大学HPに典拠史料に基づいた「立命館の灯 中川小十郎 立命館創立ものがたり」を掲載している。
https://www.ritsumei.ac.jp/features/nakagawakojyuro/
(注2)
「立命館人物伝 立志の気概 中川小十郎 立命館創立ものがたり」は2016年7月現在3種類の版がある。
初版 「広岡浅子」バージョン 2016/3発行 1,000部
2015年度後期 NHK連続テレビ小説第93作「あさが来た」のヒロイン「白岡あさ」(広岡浅子)の言葉「びっくりぽんや」のセリフを入れたコマがあるバージョン。
「あさが来た」は古川智映子著「土佐堀川」を原作とした創作ストーリー。「土佐堀川」では、大同生命保険㈱創立に中川小十郎の関わりが描かれており、学校法人立命館や大同生命保険㈱の保存史料からも裏付けられている。ドラマ中の創作人物では「山崎平十郎」の役回りが中川小十郎に近いことから、マンガにも「あさが来た」のセリフを入れた。
2版 通常バージョン 2016/3発行 4,000部
「びっくりぽん」のコマが無いバージョン。
3版 新史料反映バージョン 2016/7発行 5,000部
加島銀行従業員用の塾、「草鳥寮(そうちょうりょう)」の史資料を追加し、その他の加除修正を加えたバージョン。
(注3)
立命館大学の教養教育の詳細はこちらのHPを御参照ください。
https://www.ritsumei.ac.jp/liberalarts/introduce/
教養科目A群「平和と民主主義」の科目の詳細はこちらのHPを御参照
https://www.ritsumei.ac.jp/liberalarts/course/detail/course07.html/
「日本の近現代と立命館」のシラバスはこちら(「日本の近現代と立命館」で検索)
https://www.ritsumei.ac.jp/acd/ac/kyomu/gaku/onlinesyllabus.htm
(注4)
立命館小学校の教育方針などはこちらのHPを御参照