史資料センターでは、学園の歴史にまつわる様々な事歴を保存・利活用しています。また、様々な学園の事歴の調査研究もしています。今回は1970年前後の学生下宿事情について、調べてみました。
1972年1月20日付「立命館学園広報」(11頁)に、「学生下宿の深刻化と自治体に対する要望・請願」という学生部学生課の記事が掲載されています。「大学に対する学生下宿の提供申込数は減少の一途をたどっている。これに加えて部屋代の高騰、礼金や敷金の要求など、学生の下宿条件は日ごとにきびしくなっている。」「この原因は、なによりも地価の高騰および住宅難にあり、加えて物価上昇に伴う諸経費の増加が影響を与えていると思われる。また、地理的条件と部屋の状態をみると、京都の旧市内の下宿提供住宅は全般的に老朽化がいちじるしく、部屋の構造も襖一重といった状況で、少しでも良い部屋を希望する場合は左京区岩倉方面、東山区山科方面、宇治、乙訓郡、長岡などといった周辺の新興住宅地まで足を向けないと確保できない実情である。」と述べられています。この記事で示された数値の詳細は、「(表1)新入生の下宿決定状況」、「(表2)新入生への下宿提供数と取消率」をご参照下さい。(表1)の「来学者数」は、学生部窓口に下宿希望を申し込んだ新入生数。大学として協定料金内での下宿の確保に一層努力しつつ、地方公共団体に対して学生下宿確保の具体的諸施策を講ずるよう請願・要望を行っています。
その後、1973年2月20日付「立命館学園広報」(9頁)で「教職員各位へ 新入生のための下宿の確保について協力方のお願い!」が掲載され、大学教職員にも下宿確保についての協力を求めています。「(表3)1973年度の下宿協定料金」にこの時の協定料金を示しています。なお、教職員への協力依頼は1974年1月、1976年1月、1977年1月、1979年1月、1981年2月の「学園広報」にも掲載されているので、余程切実なものだったようです。
ちなみに「全国大学生活協同組合連合会」による「第60回学生生活実態調査概要報告」(2025年2月28日)によれば、下宿生の「住居費」が2024年度で平均56,090円になっています。「バス・トイレ付」が標準仕様だと思われますが、随分と状況がかわってきていますね。
イメージ写真として、1983年~84年の下宿の様子を示しています。
立命館 史資料センター 調査研究員 佐々木浩二
