教員紹介
- SDGs
私は「環境」「防災」「地理」をキーワードに、持続可能な社会のあり方を研究しています。具体的に、①生態系や景観、文化遺産のような環境・文化財の価値評価をその保全に対する人間の選好に基づいてモデル化する研究、②災害に対するレジリエントな社会の構築のために有用な在来知(e.g.災害履歴、災害地名、前兆)の継承に関する基礎・教育実践研究を行っています。環境の価値や災害にまつわる在来知のように目に見えないものを掘り起こして可視化し、その可視化データに基づいて中長期的な視野から持続可能な社会を実践的・総合的に構想していく点に魅力を感じています。
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国土の7割が山地である日本において、山は多種多様な生態系や文化を育んできました。各地でオーバーツーリズムが問題となる中、自然公園では環境や社会の変化をうけて代表的なインフラである登山道が危機に瀕しています。そこで一般市民が参加して協働する維持管理策が全国的に広まりつつあります。しかし自然環境に関する情報収集や市民への還元は不十分であり、これらを包括した仕組みづくりが求められています。なぜ登山道は荒れるのか?なぜ維持管理が必要なのか?そこで地理学的な見方や伝え方が重要になります。自然公園の利用と保全の調和を実現する仕組みづくりをステークホルダーの方々と共に取り組んでいます。
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南アフリカの人種主義といえば、アフリカ大陸の南端にありながら20世紀末に至るまで少数の「白人」がアフリカ人を支配し、厳格な隔離体制が維持されていたことで知られています。そんな南アフリカで、アジアから到来した人びとはどのように暮らしてきたのでしょうか。そして彼らの存在は当地の人種的秩序にどのような影響を与えてきたのでしょうか。こうした関心に基づき、人種主義やアフリカ-アジア関係、さらにいわゆる「名誉白人」待遇について社会学的な研究を行ってきました。
グローバル・サウスの文化や社会を探究することは、私たちがこれまで親しんできた世界を新たな角度から捉えなおす営みでもあります。自分のなかの「当たり前」が揺らぐ経験も、この研究の醍醐味です。
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