教員紹介
- 観光
私は主に経済地理学を研究しています。経済活動のグローバル化が進展し、国境を越える経済活動が拡大してきたので経済諸科学の中においても、経済地理学が注目されています。その中でも、日本と東南アジアの大都市の経済発展と都市問題、都市政策と国家レベルの地域政策に関心があります。東南アジア諸国はいずれも個性的ですが、特にマレーシアとシンガポールというかつてのイギリス植民地であった場所に関心を持ってきました。最近は、インドシナ半島の諸国について研究を進めています。またこれらの研究とともに、大都市と国家の関係についての考察も進めています。
もっと見る閉じる
「観光は地域に何をもたらすのか」「観光はメディア文化やポピュラーカルチャーとどのように結びついているのか」「グローバルな現代社会の中で、観光はどのような役割を果たしているのか」「観光は文化をいかに変容させるのか」「観光地で私たちは一体、何を見て,
どのような経験を手に入れるのか」「観光における『遊び』の要素は、現代社会に何をもたらすのか」――観光現象に関する様々な問いを、社会学的な視点から追求しています。このように理論やフィールドワークをふまえた人文・社会科学的な観光研究を展開していくことで、現代社会のあり方をラディカルに(根底から)問い直そうと思っています。
COLUMN
メディアで変わる「観光」の最前線を追う
地域観光学専攻
遠藤 英樹
もっと見る閉じる
観光は、楽しさ、憧れ、夢、欲望といったものと密接に関係した現象です。他なる場所にこれらと結びついたイメージが投影されるなかで、観光客が生じ、観光地が創造されるのです。また、観光地という場所は、観光客をはじめとする多様な移動を通じて創り出され、そして変化し続けています。そこで私は、観光客の地理的な想像力や、様々な空間的移動に注目して、観光地が社会的にいかに創造されているのか、またそれがどのように変容しているのかを研究しています。こうした研究は、観光という楽しさと関わるテーマを取り扱いながら、近現代社会の文化的・空間的な特徴を多角的かつ深く探究するものとなっています。
COLUMN
ツーリズムから読み解く社会。 楽しみのための場所を問う楽しみ。
地域観光学専攻
神田 孝治
もっと見る閉じる
産業施設、戦艦、廃墟、廃線跡、空き家…今やどんなものでも「観光資源」となりえる時代です。私は、あるモノが観光対象となっていくプロセスを研究していますが、とくに上記であげたような、無用の長物や嫌われモノが、観光の有用な対象となっていく過程はとても興味深いものです。たとえば廃墟は、負のイメージのノスタルジックな価値への転換や莫大な費用をかけた保存整備など、様々な社会的状況や地域社会の動きが絡みつつ、ようやく観光資源となります。そうした背景や要因を一つ一つ丁寧に追っていくこと、あるいはひも解いていくことが、社会や地域を知ることにつながります。
もっと見る閉じる
明治期以降の近代日本には、各地で新たな療養地や避暑地が誕生しました。たとえば、明治期の医学において、未知の病気であった脚気の治療には、冷涼かつ良質な空気が必要と考えられており、温泉のないような山間地域のなかには転地療養地として評価された場所もあります。避暑地については、軽井沢をおもなフィールドに、過去の新聞・雑誌・小説の記述、絵葉書や開発図面などの資料を組み合わせることで、表象される場所・景観、ないしイメージ、あるいはつくりだされた別荘地の意味を空間的に読み解いてきました。研究資料の調査は「宝探し」のようでわくわくしますし、歴史のなかで忘れられた出来事を再評価し、光を当てることも歴史地理研究の魅力です。
もっと見る閉じる