教員紹介
- GIS
私たちのライフスタイルや価値観はユニークなものであったり、逆に、友人と似ているところがあったりします。私の研究では、一人一人を区別できるデータを精査することで、人々の暮らし方の共通点や相違点を明らかにしていきます。膨大な人口のデータを調べ、そこに仮説と一致する特徴や意外な特徴が見いだされたときが一番面白いです。具体的な研究テーマは、日本人特有の働き方や家族関係、国際結婚夫婦の出生行動、さらには防災・復興、外国人の居住地選択に関する分析など多岐にわたります。最近では、オーストラリアやフィリピン、ヨーロッパをフィールドにした研究も行っています。
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人間をとりまくさまざまなものは、環境とよばれます。人間は快適・安全に居住するために歴史的に多様な手段で環境の把握を試みてきました。1820年に大学での教学がはじまった地理学は、地球全体を視野に入れつつ環境の地域的特徴を明らかにしてきました。地理学は、環境のうち、自然環境の仕組みを解明する自然地理学と、社会環境の理解に重点を置く人文地理学とに分かれています。私は自然地理学の立場から、衣笠キャンパス周辺を事例として災害危険度の把握や、被災時に使える水・食料・木材などの資源の賦存状況の解明に努めています。「流通がストップして水・食料が入手できなくなったら?」などさまざまな状況を想定します。
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私は「環境」「防災」「地理」をキーワードに、持続可能な社会のあり方を研究しています。具体的に、①生態系や景観、文化遺産のような環境・文化財の価値評価をその保全に対する人間の選好に基づいてモデル化する研究、②災害に対するレジリエントな社会の構築のために有用な在来知(e.g.災害履歴、災害地名、前兆)の継承に関する基礎・教育実践研究を行っています。環境の価値や災害にまつわる在来知のように目に見えないものを掘り起こして可視化し、その可視化データに基づいて中長期的な視野から持続可能な社会を実践的・総合的に構想していく点に魅力を感じています。
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地理情報システム(GIS)を用いた歴史都市京都の研究
歴史都市京都の過去、現在、未来の町並みをコンピュータ上に再現した「バーチャル京都」を構築しています。Google Earthのように、インターネットを介して世界中を旅することができるように、タイムカプセルにのって時間次元を取り込んだ京都の時空間旅行を可能にしたいと考えています。
そして、情報技術と人文学(人文科学)が交差する研究・教育分野であるデジタル人文学に取り組んでいます。
歴史都市京都の過去、現在、未来の町並みをコンピュータ上に再現した「バーチャル京都」を構築しています。Google Earthのように、インターネットを介して世界中を旅することができるように、タイムカプセルにのって時間次元を取り込んだ京都の時空間旅行を可能にしたいと考えています。
そして、情報技術と人文学(人文科学)が交差する研究・教育分野であるデジタル人文学に取り組んでいます。
COLUMN
京都の地図と文化をデジタルアーカイブ化
時代と空間の架け橋に
地理学専攻
矢野 桂司
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私は、江戸時代に行われた新田開発をとおして、ある時期、ある地域に、なぜ人々が住み始めるのかを明らかにしたいと考えています。江戸時代は、戦国時代に終わりと告げ、農業社会とこれを支える商工業なども盛んとなり、人口も増えて行きます。土木技術も発展し、日本各地で新田開発が行われました。新田開発は、新しい耕作地を拓くとともに、屋敷、上水路、薪炭林、寺、神社、街道など、人々の生活のために欠かせない居住環境も整備されました。ときには町を作ることもありました。新田開発は、地理学において長い伝統を持つ研究領域です。これまでの研究の蓄積を振り返りながら、地理情報システム(GIS)の活用や、史料の再検証を行い、新たな発見をするべく取り組んでいます。
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明治期以降の近代日本には、各地で新たな療養地や避暑地が誕生しました。たとえば、明治期の医学において、未知の病気であった脚気の治療には、冷涼かつ良質な空気が必要と考えられており、温泉のないような山間地域のなかには転地療養地として評価された場所もあります。避暑地については、軽井沢をおもなフィールドに、過去の新聞・雑誌・小説の記述、絵葉書や開発図面などの資料を組み合わせることで、表象される場所・景観、ないしイメージ、あるいはつくりだされた別荘地の意味を空間的に読み解いてきました。研究資料の調査は「宝探し」のようでわくわくしますし、歴史のなかで忘れられた出来事を再評価し、光を当てることも歴史地理研究の魅力です。
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