教員紹介
- 環境
井上 充幸教授
- 所属専攻:
- 東洋史学専攻
- 専門分野:
- 中国近世の文化史・社会史・環境史に関する研究
中国近世、それも明清時代といっても、皆さんにはあまりピンとこないと思います。ですが『西遊記』や『三国志』などの物語をはじめ、私たちが「いかにも中国らしい」と感じる伝統文化や、中国人特有の思考方法・行動様式が生み出されたのは、まさにこの時代だったのです。私は、明清時代に生きた文人たちの日常生活や、彼らを取り巻く社会の様子、さらには当時の文化のさまざまなありようを具体的に明らかにし、それを通じて中国近世という時代そのものの面白さを伝えていきたいと思っています。
COLUMN
400年前の「明末清初」の時代にタイムスリップ。 庶民の日常から現代中国のルーツを探る。
東洋史学専攻
井上 充幸
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19世紀を中心とするアメリカ小説と大衆文化を研究しています。研究テーマについては、自伝的虚構、テクスト生成過程、ユーモア、先住民表象、おてんば・バッドボーイ表象、共感的同一化、可傷性などの問題系や、ポピュラー音楽史、文学テクストの映画翻案、日本における米文学・文化受容史などに関心をもっています。主要な研究対象は、エドガー・アラン・ポー、マーク・トウェイン、ルイザ・メイ・オルコット、セアラ・オーン・ジュエット、ジャック・ケルアック、フラナリー・オコナーなどの作品です。
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私はよくぼんやり空を見あげて、空の色、雲のかたち、そこにある理由を妄想しては、二度と同じものはないことに、時間と空間の不思議を感じます。それは目の前の風景すべてにもいえることでしょう。以前、琵琶湖岸の集落で調査をしたとき、玄関が水路の前にある家を見つけました。不思議に思い話を聞くと、「むかし交通手段として水路をよくつかっていたから」とのこと。古い地図を見ると、たしかにそこには水路が縦横にめぐっていて、毎日の営みも琵琶湖の役割も今と違ったことを教えてくれました。本や史料に残りにくうえ二度と戻らない、でも確かに存在した風景に、自分で歩き話を聞くことでたどりつける。それが私の研究の面白さです。
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人間をとりまくさまざまなものは、環境とよばれます。人間は快適・安全に居住するために歴史的に多様な手段で環境の把握を試みてきました。1820年に大学での教学がはじまった地理学は、地球全体を視野に入れつつ環境の地域的特徴を明らかにしてきました。地理学は、環境のうち、自然環境の仕組みを解明する自然地理学と、社会環境の理解に重点を置く人文地理学とに分かれています。私は自然地理学の立場から、衣笠キャンパス周辺を事例として災害危険度の把握や、被災時に使える水・食料・木材などの資源の賦存状況の解明に努めています。「流通がストップして水・食料が入手できなくなったら?」などさまざまな状況を想定します。
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私は「環境」「防災」「地理」をキーワードに、持続可能な社会のあり方を研究しています。具体的に、①生態系や景観、文化遺産のような環境・文化財の価値評価をその保全に対する人間の選好に基づいてモデル化する研究、②災害に対するレジリエントな社会の構築のために有用な在来知(e.g.災害履歴、災害地名、前兆)の継承に関する基礎・教育実践研究を行っています。環境の価値や災害にまつわる在来知のように目に見えないものを掘り起こして可視化し、その可視化データに基づいて中長期的な視野から持続可能な社会を実践的・総合的に構想していく点に魅力を感じています。
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国土の7割が山地である日本において、山は多種多様な生態系や文化を育んできました。各地でオーバーツーリズムが問題となる中、自然公園では環境や社会の変化をうけて代表的なインフラである登山道が危機に瀕しています。そこで一般市民が参加して協働する維持管理策が全国的に広まりつつあります。しかし自然環境に関する情報収集や市民への還元は不十分であり、これらを包括した仕組みづくりが求められています。なぜ登山道は荒れるのか?なぜ維持管理が必要なのか?そこで地理学的な見方や伝え方が重要になります。自然公園の利用と保全の調和を実現する仕組みづくりをステークホルダーの方々と共に取り組んでいます。
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私たちは、さまざまな環境や状況下でやりとりやふるまいを通じて何かを達成したり、喜怒哀楽を感じたりしています。私の研究は、日常で営まれる多様な相互行為を録音・録画してデータとし、社会学由来の会話分析という質的研究方法を用いてそれらの成り立ちや構造を明らかにして、私たちに備わる社会成員としての能力の豊かさを示すことです。データを微細に観察すると、刻々と展開していく出来事に対する人間の反応や対処が、いかに秩序立っているのかがよくわかります。また、フィールドワークも取り入れながら、社会的・制度的に十分な評価がされていない対人援助職の専門性を、職員らの諸実践の分析を通して明らかにしようとしています。
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