所在地: 大阪府泉佐野市上之郷 中村児童公園(茅渟宮跡)
建 立: 明治39(1906)年11月 公望58歳
【南君遺徳碑篆額】 【南君遺徳碑】
大阪府泉佐野市上之郷の中村児童公園に現存する南君遺徳碑は、2020年10月に近くの上之郷小学校から移設された。
篆額は侯爵西園寺公望、撰文は湖南内藤虎、秋渚磯野惟秋書丹。
南源十郎は和泉国泉南郡上之郷村出身。若くして里正、村長となり、明治18年から30年、32年から36年の間、大阪府会議員を務めた。そのほか公職に就くことも多く、また大阪で新聞の発行を行った。上之郷の地租の軽減をはかり、また上之郷銀行を設置した。
嘉永5(1852)年9月生まれ、明治37(1904)年4月病のため卒す。享年53。上之郷村の有志によってその徳を慕い小学校校庭に遺徳碑が建立された。内藤湖南は旧知であったため碑文を記した。
碑に関する資料として
(1)『内藤湖南全集』第14巻「湖南文存」巻14に碑文
(2)『第二回大阪府町村治績』大阪府内務部地方課 大正9年
(3)上之郷小学校校長であった新田義郎氏による書下し文がある(昭和48年)。氏によれば、南源十郎は自由民権思想普及のための新聞を通じて、西園寺公望、内藤湖南、中江兆民、末廣鉄腸、磯野惟秋等と親交があったとしている。(書下し文の資料は、上之郷コミュニティセンター提供)
がある。
2021年11月2日 立命館 史資料センター 調査研究員 久保田謙次