わだつみ像は、アジア・太平洋戦争の戦場にかり出され生きて帰ることのなかった戦没学生を記念する像として、1950(昭和25)年に彫刻家本郷新により製作されたものです。
像は当初東京大学に設置する予定でしたが認められず、立命館大学に設置されることになりました。像は1953(昭和28)年11月8日に広小路学舎に到着し、11日にわだつみ像歓迎大会が予定されました。この日歓迎大会に参加しようとした京都大学の学生たちが、鴨川の荒神橋で警官隊に阻止され重軽傷を負うという荒神橋事件が起こりました。当時反戦平和の象徴であった像を迎えることは、まだまだ国内外の緊張した情勢のなかでは大変なことだったのです。
しかし立命館は全学をあげて、全国から集まった平和を願う人々とともに除幕式を行い不戦の誓いをしました。第一回の不戦の集いは翌年の12月8日に行われています。
ところが、学園紛争のさ中の1969(昭和44)年5月20日、像は全共闘によって破壊されました。これに対し全国から怒りの抗議が起こり、ただちに再建にむけての活動が始まりました。そして1970(昭和45)年12月8日わだつみ像は再建され、その後一旦中央図書館に再建立されたのち現在は国際平和ミュージアムに設置され、毎年12月8日には像の前で不戦の集いが続けられています。
2013年12月、わだつみ像は建立60周年を迎えます。
広小路学舎研心館前にわだつみ像が建立され除幕式が行われた(1953年12月)。現在は国際平和ミュージアムに第2代の像を設置。