立命館大学 法科大学院 司法試験合格者インタビュー

Ritsumeikan University School of Law: Special Interview Series

  • 膨大な自習量を基盤に、
    教師・仲間と共に学び、
    理解を深めることで実力がつく

    荒木 誠さん

    立命館大学法学部出身
    既修者コース修了(2014年)
    2014年度司法試験合格

「量」をこなすことで論理の構造が見えてきた。

「法律家ってかっこいいな」。荒木 誠さんが子どもの頃に抱いたそんな他愛のない憧れが、確かな目標に変わったのは、立命館大学法学部に入学し、「法律相談部」で活動を始めてからだった。一般の方々を対象に学生が無料で法律相談を受け、アドバイスする活動で、現実に困っている人を目の当たりにし、初めて法曹の仕事が現実味を帯びてきた。加えて所属ゼミの教授が立命館大学法科大学院でも教鞭をとっていたことも、「今思えば縁だった」と語った荒木さん。「教授の指導の下で税法をもっと勉強したい」という気持ちが、進学を決意させた。

法律相談部での活動や法学部で法学に親しんできた荒木さんにとっても、法科大学院での学びは容易なものではなかった。

「学部と大きく違うのは、授業形式です。少人数・双方向で行われる授業では、矢継ぎ早に質問が飛んでくるので、気を抜いている暇もありません。あやふやな記憶で答えても、『それはどういうこと?』とさらに深く問われるので、迅速に考える力と対応力も求められます。徹底した予習が欠かせませんでした」

荒木さんは、1コマの講義に対し、必ず3、4時間は予習することを自分に課した。予習だけで1日10時間以上を費やすことも。深夜12時を回り、閉館ギリギリまで自習室で過ごすのが日課だった。実践したのは、できるだけ多くの関係文献を読むこと。指定された判例と基本書はもちろん、「百選解説」や裁判所の調査官が記録した長大な「調査官解説」、重要判例をまとめた「重判」にも目を通した。
「さらにそれを頭に入れるため、自分で要約し、自作のレジュメを作りました。一冊の本を作るように、章立てを考え、法律分野ごとに整理。授業で先生が解説したことなどを随時追記することで、情報を充実させていきました」 それらを携帯電話にも保存し、授業の合間や移動中など、隙間時間にも何度も読み返した。その中で次第に判例独特の言い回しや法律文書の構成が見えてくる。「膨大な量をこなす」ことで、法的思考がしっかりと身についていった。

自習室

十分な予習・復習をできるよう、全員分の個人自習席を用意。その他、学生がグループ自習を行うためのスペースを用意しています。

熱意あふれる教員との距離が近いことが魅力。

「教員との距離が近いこと、何より先生方がみな、非常に熱心なことが、立命館大学法科大学院の魅力です。授業中も気後れすることなくだれもが質問できる雰囲気があります。私は授業後、必ず一度は質問するよう心がけていました。誰かが質問したことをみんなで考え、議論することで一歩理解が深まる。それは、一人で勉強していたのでは決して得られないものです。先生方は、どんなに質問しても嫌な顔一つせず、ていねいに応えてくれました」

受験勉強は長丁場だ。集中力を途切れさせず、勉強を継続できるか否かが、合否を分ける。モチベーションが下がりそうな時、成績が思うように上がらず苦しい時、荒木さんは、「絶対に2年間で受かってみせる」と自分に言い聞かせた。
「合格できないかもという弱気な気持ちは、苦しい時に逃げ道になってしまいます。退路を断つ意味でも、あえて『合格する』と口に出し、自らを鼓舞しました」

そうした強い気持ちが、たゆまぬ努力につながり、荒木さんを合格へと導いた。
「将来は、学部時代からずっと勉強してきた税法を強みにする弁護士になりたいと思っていましたが、今、裁判官にも興味を引かれています。一つの仕事にこだわらず、さまざまな経験を積み、法曹の専門家として実力を磨き続けたいですね」と語る荒木さん。今も高い向上心を持って将来を見すえている。

教員紹介

高い業績評価を得た40~50歳代なかばの専任教員が中心となり、情熱をもって教育にあたります。実務家教員は、全員が高度な専門力量を持ち、豊かな経験をもとに、理論と実務を統合します。教員の熱心なサポートは、大きな特徴の一つです。