立命館大学 法科大学院 司法試験合格者インタビュー

Ritsumeikan University School of Law: Special Interview Series

  • 「やる気のない大学生」から脱却すべく挑んだ
    司法書士合格をきっかけに法科大学院へ。
    自分なりの勉強法を貫き、初回合格。

    藤木 大雅さん

    大阪経済法科大学法学部出身
    既修者コース修了(2019年度)
    2020年司法試験合格

授業だけに特化した予習はせず、
興味のある部分から広く勉強していた。

「まだ働きたくない」そんな思いで、あまりやる気もないままに大学に進学したという藤木さん。3回生の時「このままでは結果の出せない人間になってしまう」と一念発起して学内の行政書士講座を受講、合格できたことをきっかけに、もっと上を目指したい、弁護士に挑戦してみたいと思うようになり、法科大学院進学を決めた。立命館を選んだのは、レベルの高い人に囲まれて勉強することが成長につながると先生にアドバイスを受けたからだという。

授業で先生からの質問に答えられるよう予習に力を入れる学生が多い中、藤木さんは、授業だけに特化した予習はせず、興味のある部分から広く勉強していたという。テキストを読み、翌日も読み、1週間後も読んで、記憶に完全に定着させるのが藤木さんのスタイル。必要な時、必要な部分だけを効率よく読み返せるように、テキストの、完璧に理解している部分は黒く塗りつぶし、理解できていない部分や直前に読み返すべきと考える部分にマークをしたり、新しい情報を書き加えたりして自分専用のテキスト兼ノートも作った。「1冊2時間くらいで読めるようにしました」。

時間の節約は問題を解く時にも意識した。「ストップウォッチを利用して、『何分以内に解く』と自分にプレッシャーをかけていました。勉強時間はそんなに長くはなかったのですが、楽しみながら集中してやっていたのが良かったのかもしれません」。

法曹に興味があるなら
最初からあきらめずに挑戦してほしい。

自分なりの勉強法を確立し、着実に知識を身につけていった藤木さんの課題は論文だった。自分で何度書き直しても進歩が実感できずに悩んでいたが、授業で出会った実務家教員に論文を書くテクニックを教わることができて「見栄えの良い論文」を書くことができるようになったという。「先生のおっしゃるとおりに書くと、なんとなくバラバラだった内容が、コンパクトで、しかも読みやすく伝わりやすい文章に変わりました」。

「1回で合格できるとは思っていなかった」という藤木さんだが、直前の1か月で8科目分の論証集を3周する計画を立て、日程の延期にも助けられながら、できなかった分は試験中の空き日も使ってやり抜いた結果、初めての受験で見事合格。「自分に合った勉強のやり方、効率良い知識の入れ方を身につけられたことは、弁護士になってからも活きると思います」。手がけたい仕事の一つが遺産相続。「お葬式当日に遺産をめぐって争う人を見たことがあるんです。お金にとらわれず、故人を悼んだり、人間関係を良好に保ってもらうためにも、プロとしてできることがあると思っています」。

最後に、法曹を目指すことを迷う人へメッセージをもらった。「私は中学でもあまり勉強をせず、進学したのは司法試験合格者が出るなんて思われていないような高校。行政書士の勉強を始めた時も、テキストを読み進めては疲れて、また1カ月後にまた最初から読み直すような状態でしたが、とりあえず後戻りせずに一冊読み切ろうと決意し、それを達成できた時から少しずつ自信も生まれ、勉強もできるようになっていきました。そんな私でも合格したのですから、法曹に興味があるなら最初からあきらめずに挑戦してほしいと思います」。

教員紹介

高い業績評価を得た40~50歳代なかばの専任教員が中心となり、情熱をもって教育にあたります。実務家教員は、全員が高度な専門力量を持ち、豊かな経験をもとに、理論と実務を統合します。教員の熱心なサポートは、大きな特徴の一つです。