立命館大学 法科大学院 司法試験合格者インタビュー

Ritsumeikan University School of Law: Special Interview Series

  • ドラマで憧れた検察官を志望して入学。
    自主ゼミで答案のパターンを身につけ
    先生の作る超難問にも鍛えられて、現役合格。

    林 あずささん

    明治大学法学部出身
    未修者コース修了(2020年度)
    2021年司法試験合格

先生は、性格やくせまでも把握して
一人ひとりに合ったアドバイスをしてくれた。

小学生の時、ドラマの中の検察官を見て「かっこいい」と思った林さん。高校生の時に再放送を見て「自分の手で事件に深く関わり、被害者だけでなく、加害者の人生にも影響を与えられる仕事だと思いました」。大学の就職活動の時期にそのことを思い出し、難しいかもしれないがチャレンジしてみようと法科大学院への進学を決める。

通学に2時間近くかかることもあってか、1年目の前期は勉強のリズムをつかめずに苦労したという林さんだが、徐々に慣れたという。予習に時間をかけず、通学時間に資料や判例を読んで、その日に扱う事件の概要を把握した上で授業に臨み、内容はその日のうちにノートにまとめるようにした。不明点があれば次の週の授業、もしくはすぐにメールで質問して完結させていた。「定期試験前に時間をかけてノートを作ることができない性格なので、授業の度に片づけようと思いました」。試験直前は暗記するだけにするなど、自分なりのリズムをうまく作っていった。

先生との距離の近さにも助けられた。「小学生の時を思い出すような距離感です。一人ひとりのくせを指摘するなど、性格に合わせた学習アドバイスをしていただけたのがありがたかったです。質問もしやすく、法律の中身ではない、テキストに書かれているたとえ話の意味がわからないと聞きに行っても、笑って教えてくださいました」。

教員紹介

高い業績評価を得た40~50歳代なかばの専任教員が中心となり、情熱をもって教育にあたります。実務家教員は、全員が高度な専門力量を持ち、豊かな経験をもとに、理論と実務を統合します。教員の熱心なサポートは、大きな特徴の一つです。

「なるほど、そういうことだったのか」
学んできたことの辻褄がすべて合う瞬間が訪れた。

印象に残る授業は、松岡先生の「民法展開演習」。司法試験の採点者でもあった松岡先生の作る問題は「司法試験より難しかった」と林さんは言う。「緻密で、あり得ないほどたくさんのひっかけが入っているんです。司法試験で問題文を繰り返し読む時間はないので、読み飛ばしてひっかかってしまうと最後の方で間違いに気づくことがあります。私は読み飛ばすくせがあったのですが、松岡先生の難問のおかげで自然と注意深く読むようになり、ミスが少なくなりましたし、司法試験への心理的なハードルも低くなりました」。刑法の自主ゼミで答案を書く練習をしたことも役立ったという。「大下先生に答案の書き方を1から100まで教えていただきました。やればやるほど書き方のパターンのストックが増えていくのが自分でもわかりました」。

それでも、最終学年の年末までは1回で合格できると思えなかったという。解けない問題もあり、暗記も間に合わないと思っていたからだ。しかし、年明けのある日、それまで点で把握していたことがつながって線になる瞬間、「なるほど、そういうことだったのか」と学んできたことの辻褄がすべて合う瞬間が訪れたという。「クイズの答えを聞いた時のような感覚でした。つかめていなかった全体像が見えたんですね」。それからは「間に合いそう」という感覚で暗記に力を入れ、手ごたえを感じたまま見事合格をつかんだ。

検察官を志望する気持ちに今も変わりはない。「正しいと思ったことを、周りの意見も聞きながら、きちんと証明できる人になりたい」と話す。「法曹は、誰かのためになる仕事であるだけではなく、自分が頑張ったことを証明できる仕事でもあると感じています」。

カリキュラム

2016年度、カリキュラム改革を行い、法曹となるための 基本的な力を身に付けるために、法律基本科目を中心に一層の充実と重点化を図っています。