立命館大学 法科大学院 司法試験合格者インタビュー

Ritsumeikan University School of Law: Special Interview Series

  • 退職、アルバイトしながらの独学を経て
    31歳で法科大学院入学。独自の勉強法に
    先生方の深い知識を肉付けし、現役合格。

    吉岡 唯行さん

    広島国際学院大学現代社会学部出身
    既修者コース修了(2020年度)
    2021年司法試験合格

若い学生と同じ長時間の勉強では太刀打ちできない。
テキストを絞り、答案を書く時間も惜しんで回数をこなした。

大学卒業後に就職した会社で、労働問題の当事者となった経験のある吉岡さん。その後保険会社に転職してある弁護士と出会い「労働問題を解決する弁護士になりたい」と考えるようになった。会社をやめ、来客の少ない深夜のガソリンスタンドでアルバイトをしながら、待ち時間に勉強する生活を始めた。

予備試験合格を目指し、司法試験予備校の通信講座で3年半勉強したが、2回目の不合格の後、法科大学院への進学を決意。全国の法科大学院の情報を集めた結果、選んだのが立命館だった。「2年間の学費免除に加え、自習室などの設備が整っていること、学校の近くに住んでも家賃が高くないことが決め手でした」。

入学時は31歳。周囲の若い学生が当然のように長時間勉強する姿に驚き、危機感を覚えたという。「同じようにはできない。効率良く勉強できる自分なりの方法を探さなければ」そして教材を一本に絞った。「司法試験は範囲が広いので、手を広げてしまいがちですが、私はそれまで勉強してきた予備校のテキストだけを、トータルで30回以上は解いたと思います」答案を書くと時間がかかるので、問題文を読みながら、頭の中で答案構成をして終わり。実際に書くのはテストと模試の時だけだった。「時間がある人は書いた方がいいと思いますが、私は時間が限られていましたから」。働かずに勉強できる経済的な余裕は2年分しかなかったので、1回で合格しなければ働きながらの受験になるという意識は常にあった。

自習室

十分な予習・復習をできるよう、全員分の個人自習席を用意。その他、学生がグループ自習を行うためのスペースを用意しています。

司法試験受験を通して
決めたことならやり抜ける自分を知った。

予備校のテキストで勉強しているので「あまり良い学生ではなかったと思う」と話す吉岡さんだが、先生方に質問をすると嫌な顔一つせず答えてもらえたことは本当にありがたかったと振り返る。「学者である先生方は本当に深い知識をお持ちなので、質問すると、法律論としてきちんと答えてくださいました。一人で勉強していた時には読み取ることができなかった、テキスト内容の本当の意味を知り、知識の肉付けをすることができたんです」。

「客観的に見れば実力があったわけではない」と言う吉岡さん。それでも社会人経験に基づく精神的な強さもあって「あまり不安に思うこともなく淡々と勉強することができました」。そして見事に1回で合格をつかんだ。「7割方不合格だと思ってアルバイトの求人も見始めていたので、本当に嬉しかったです」。

労働問題への関心からこの道を目指した吉岡さんだが、改めてどんな弁護士になりたいかを聞いた。「勉強してみるとすそ野の広い世界だとわかりました。さまざまな経験をしながらやりたいことを見つけたい。司法試験を通して、決めたことならとことんやれる自分を知ることができたのも財産です。『何ができるか』ではなく『何をやりたいか』で、進む道を決めていこうと思います」。

最後に、司法試験を目指す社会人へアドバイスをお願いした。「働きながら、子育てしながらなど、私よりずっと厳しい環境で司法試験に挑む人もいて感銘を受けました。社会人だから、時間がないから、そんなこと言い出したらきりがないと思います。そして、立命館の奨学金や立地環境面の素晴らしさはもっと広く知られてもいいのではないでしようか。社会人には特におすすめです」。

奨学金制度

入学試験成績優秀者を対象とした「立命館大学法科大学院奨励奨学金制度」など多様な奨学金制度を設け、数多くの支給実績があります。