立命館大学 法科大学院 司法試験合格者インタビュー

Ritsumeikan University School of Law: Special Interview Series

  • 試験勉強だけでなく、
    現実に向き合う経験が目標を再確認し、
    モチベーションを高めるのに役立った。

    関口 速人さん

    龍谷大学法学部出身
    未修者コース修了(2014年)
    2016年度司法試験合格

勉強の方法もわからないまま、
授業についていくだけで必死でした

 「大学時代に環境法のゼミに所属。弁護士として環境事件でも活躍する先生に憧れ、法律家を目指しました」と語る関口 速人さん。立命館大学法科大学院を選んだのは、そんな「環境法務」を深く学べると考えたからだった。本法科大学院では、司法試験に必要な科目を揃えるだけでなく、将来法曹となった時に専門性を持てるよう、多様な分野の科目・教員を充実させている。
とはいえ未修者コースでは、本格的に法律を勉強するのは初めてという学生がほとんど。関口さんも、初年度は膨大な学習量に苦戦した。「大学の4年間で学ぶ内容を1年間で網羅するため、1回の授業で数十ページ分を一気に進みます。勉強の方法もわからないまま、授業についていくだけで必死でした」と振り返る。

 2年目以降は判例を読み、具体的な事案を分析する授業が増えていく。数多くの判例を読みこなし、事案の中のどんな事実がどの要件に当てはまるのか、抽出すべき論点は何かが分かるようになる。こうして「法的思考」が身についていくにつれ、「問いに答える」意識が定着。次第に司法試験の答案でどのようなアウトプットが必要かを考えながら読み進められるようになっていった。

教員紹介

 高い業績評価を得た40〜50歳代なかばの専任教員が中心となり、情熱をもって教育にあたります。実務家教員は、全員が高度な専門力量を持ち、豊かな経験をもとに、理論と実務を統合します。教員の熱心なサポートは、大きな特徴の一つです。

『環境予防法務』に関わる弁護士になりたい

 「学習する環境が整っていて大学院で集中して勉強できる」と、立命館法科大学院のいいところを挙げた関口さん。例えば自習室には一人ずつ勉強机とロッカーが与えられる。関口さんは勉強道具一切を自習室に持ち込み、自宅での時間はリラックスに充てるなどメリハリのある生活を心がけた。

 また2万5000冊に及ぶ図書や雑誌が配架されている「朱雀リサーチライブラリーもよく活用したという。「図書館で複数の教科書や『調査官解説』に目を通し、同じ判例を多様な視点から読み解くことで、理解が深まりました」。

 大学院の授業で学べることは限られている。合格できるだけの実力を培うには、自分に合った勉強法を見つけることも重要になる。関口さんは、「まとめノート」を自作。自分なりに苦手なところや重要なポイントを整理したことが試験当日まで役立ったという。

 司法試験を突破する知識を身につけるだけでは十分とはいえない。立命館大学法科大学院では将来の法曹を育てるという視点から、臨床に触れる学びも重視する。環境法務に関心を持つ関口さんは、大学でのプログラム以外にも、法科大学院の教授の紹介で熊本県水俣市を訪問し、4大公害の一つである水俣病の患者の方から話を聞いたり、東日本大震災の被災地を訪れ、被災者の方と接するなど課外での体験にも積極的に取り組んできた。「現実と向き合うことで、何のために環境法の専門家になりたいのか、目標を再確認するとともに、勉強へのモチベーションも上がりました。こうした時間は決して無駄ではなかったと思っています」

 目標に向かっていよいよ第一歩を踏み出す。「規制するだけでは環境保全は実現しない。経済性を追求する企業にも利益をもたらす環境保全の道はないのか。『環境予防法務』に関わる弁護士になりたい」と将来を見すえている。

朱雀リサーチライブラリー

法科大学院をはじめとするプロフェッショナルスクールでの学習、研究を支援するためにキャンパス独自のリサーチライブラリーを設置。約25,000冊の図書、雑誌を配架しています。