立命館大学 法科大学院 司法試験合格者インタビュー

Ritsumeikan University School of Law: Special Interview Series

  • 一度あきらめかけた弁護士への道。
    基礎からやり直したことが
    合格につながりました。

    千葉 あすかさん

    立命館大学法学部出身
    既修者コース修了(2015年度)
    2017年司法試験合格

弁護士ゼミの先生方には
精神面でも支えていただきました

 学部2年の時に弁護士事務所で実習を行い、不安そうな依頼者が、弁護士と相談した後は笑顔で帰っていく様子を見て、人を笑顔にするお手伝いができる弁護士になりたいと思ったのが司法試験を目指すきっかけだった、という千葉あすかさん。2年間の奨励奨学金給付を受けられる成績で合格することを目標に、高い意識で法科大学院入試に臨み、無事に受給も決定。しかし大学院での学びは「身につけた知識をどう使っていくか、応用や実践が求められるので、学部時代とは質の違う勉強が必要だと感じました」

 特に印象に残っているのは「刑事法務演習」で、刑事模擬裁判を行ったこと。学生が、裁判官、検察官、弁護士に分かれ、手続きの初めから実際の流れに沿って行う。「刑事訴訟法は学んでいましたが、この場面ではどの条文が問題になるのか、どの知識を使うのかまでは理解できていなかったことに気づきました。裁判の全体像を自分の身体で理解できたことで、知識に血が通ったように感じましたね」

 合格の決め手になったのは、エクステンションセンターの「弁護士ゼミ」だと振り返る。「これがなかったら合格できなかったと言っても過言ではないくらい。過去問を解いて弁護士の先生に添削していただくのですが、評価が良ければ大きな自信になってモチベーションが上がりますし、悪くても弱点を克服できると前向きにとらえることができました。弁護士ゼミの先生方には精神面でも支えていただき、本当に感謝しています」

奨励奨学金

入学試験成績優秀者を対象とした「立命館大学法科大学院奨励奨学金制度」など多様な奨学金制度を設け、数多くの支給実績があります。

女性の支えになれる
弁護士になりたい

 最初の受験で手ごたえを感じながら不合格になった後、もう司法試験はあきらめようと思った時期があったという千葉さん。テキストも何冊か捨て、就職活動をしていたら、弁護士の先生に「大丈夫。絶対にもう一度受けた方がいい」と言われた。心から信頼する先生の本気の言葉に、「もう一度頑張る決意ができました」。初心に返って基礎をやり直そうと決め、初歩的な授業で最初に学ぶような知識、条文、判例からしっかり覚え直し、理解し、かみくだいて「自分の文章」として使えるようにすることを心がけた。「判決の理由をしっかり理解することで、似たような事案での応用が効くようになり、答案の軸がぶれなくなっていったことが自分でもわかりました」

 当時はショックだった不合格も「かけがえのない経験」と語る。「力量不足や、成績が良いというおごりがあったことにも気づくことができました。悩んだ時に親身になってくれる人のありがたさも知り、人間的に成長できたと実感しています。就職活動をしたことで視野が広がり、司法試験に固執しすぎない柔軟な思考ができるようになったことも、結果的に試験勉強の力になったと感じています」

 「当事者目線で考えられる法曹になりたい」という目標が実現できるのは弁護士だと思う、と千葉さん。「女性の立場がわかる弁護士、男性には相談しづらいような悩みを抱える方の支えになれる弁護士になりたい。離婚などの家事事件でも活躍したいですね」